現在、「働き方改革」が政府・産業界ともに本格的に進められている。だが、小山昇が経営する株式会社武蔵野では、すでに何年も前から非正規雇用従業員の待遇改善に取り組み、15年連続増収、過去最高売上・最高益を更新している。ここでは、最新刊『儲かりたいならパート社員を武器にしなさい』(ベスト新書)を上梓した同氏の「賞与」に関する考え方を紹介。

◆時給は、「少額ずつ、定期的に上げる」ほうがパートは辞めない

 女性は、男性以上に「損すること」「減ること」を嫌います。女性の感性は「足し算」であり、「引き算」は許せません。ですから、時給や賞与の金額を上げるときには、「小刻みに、定期的に上げる」のが基本です。

「業績が良かったから」「頑張って働いてくれたから」といって、一度に大幅に上げると、「下げる」ときに紛糾します。

 私の経験上、男性は、「時給を上げすぎたので、申し訳ないが50円下げさせてほしい」と理路整然と説明をすれば、納得してくれます。

 ですが、女性は、なかなか納得してくれません。引き算を好まないからです。
「今年はパートの時給を50円上げる」という計画を立てたとき、多くの社長は、一度に50円上げます。ですが、私は違います。

 

 最初に「25円」だけ上げて、半年後にさらに「25円」上げる。すると女性は「足し算」で考え、「得をした」と感じます。「1000円の時給を一度に50円上げる」のと、「25円ずつ2回に分けて上げる」のでは、後者のほうがパートの定着率が上がります。

 実際は、「25円×半年間の労働時間分」だけ損をする計算ですが、「25円ずつ2回に分けて上げる」ほうが「安定的に増える」と実感を味わえるため、女性は喜びます。

「高い給料を払うが、その後、時給は上げません」と言うと、不満になります。ですが、「最初は低くても、半年ごとに時給を上げます」と言うと、不満が出ません。

◆給与はお客様が払い、賞与は社長が払う

 私は20代のとき、給与や賞与は、「社長」が支払ってくれるものだと信じていたが、それは大きな間違いだとわかりました。

 給与は、社長が支払っているのではありません。

「お客様」です。

 会社は、業績が赤字でも、給与を支払います。その原資はどこからきているのかというと、「売上」です。

 お客様が自社の製品やサービスを買ってくださるから、会社の売上が上がって給与を支払うことができます。

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