時代・地域で違う多彩な出店

 夏祭りの季節が近づいてきた。浴衣を着て盆踊りや花火を眺めるのは風流だが、じつは出店が楽しみで繰り出すという人も多いのではないだろうか。高級食材や厳選素材を使っているわけではないけれど、提灯に照らされながら食べると非常においしく感じるから不思議だ。

 筆者の住む関東では、祭りといえばお好み焼きやたこ焼き、わたあめなどが定番である。しかし、関西の祭りに足を運んだとき、関東では見られないものが多くて驚いた。どうやら出店にも地域性があるようだ。

 数年前、京都・吉田神社の節分祭へ行く途中で「はしまき」というものを初めて見た。お好み焼きを割りばしに巻いたようなものであり、関西ではメジャーなものだという。お好み焼きを歩きながら食べられるので、祭りの夜には最適だ。最近では関東でもちらほらみられるようになったが、まだその存在を知らない人は多い。

 一方、関西の人が知らないものといえば、「大阪焼き」というものがある。お好み焼きの具材を大判焼のように丸く焼いたものなのだが、最近ではあまり見かけなくなってしまったこともあり関東でも知っている人が意外と少ない。地元と思われる大阪人にいたっては、10人中9人が知らなかった。

 さらに、「ミニお好みでええんちゃうの?」「なんでも大阪とつければいいと思うな」などと言われてしまったが、1人だけ「それってリング焼きのこと?」という回答が。どうやら似たようなものが別の名前で売られているらしい。

 関西には食べ物だけでなく、ユニークな出店が見られる。それは、金魚すくいならぬ「えびすくい」だ。九州のほうには「うなぎ釣り」まであるようで、ご当地ならではの釣りを楽しめるようだ。

 こうした地域色だけでなく、出店にも時代とともに変化が見られるようになった。たとえば、かき氷の出店は定番だが、その提供スタイルが変わっているように感じる。かつては1つのフレーバーを指定し、それをかけてもらうのが一般的だったが、シロップ入れの客側に蛇口のようなものがついており、客がシロップをかけるスタイルの店を見かけた。客は氷の入った器を受け取り、自由にかけることができるのだ。当然、子どもたちの氷はカラフルに染められていた。

 何日間も出店しているところでは、容器を再び持参すると割引になるという店もあった。このように、内容だけでなくサービスも年々変わっているようだ。

 定番もおさえつつ、新たなものが続々と登場する出店。この夏も、祭り会場で見かけたらぜひ足を運びたいものだ。