主家の滅亡後に直虎が下した英断

 永禄11年(1568)、主家・今川氏が武田と徳川に攻められて滅亡します。その後、直虎は新たな遠江(とおとうみ)の支配者となった徳川家康に、成人した直政を預けて一族の命運を託すことになります。

 当時、武田か徳川か、どちらにつくかで明暗が分かれたと思うのですが、直虎は徳川を選びました。結果的に、それは正しい判断だったわけです。その後の井伊家が彦根藩30万石、徳川幕府の譜代筆頭に上りつめていくのですから。徳川時代に大老は12人いましたが、そのうち6人が井伊家出身者です。直虎は井伊の命脈をつないだ功労者といえるでしょうね。

 ドラマの舞台になっている井伊家の本拠地・井伊谷には井伊谷城や龍潭寺などがあります。また浜名湖にも近く、鰻(うなぎ)が美味しいところです。直虎の時代、鰻は「ぶつ切り」にして食べられていたようで、私も一度その再現で食べてみたのですが、やはり江戸時代に登場した「かば焼き」のほうが美味しいですね(笑)。

高天神城跡 遠州支配の要としての価値が高く、武田軍と徳川軍による激しい攻防が繰り広げられた。 若き日の井伊直政もこの戦いに参陣し、功績を上げている。(掛川市)

 近くには家康の出世城といわれる浜松城や武田と徳川の戦いの舞台になった三方ヶ原があります。静岡市には、かつての今川館があった駿府(すんぷ)城。掛川市には今川、武田、徳川の争奪戦の舞台となった掛川城のほか、今川氏真が最後に立て籠もった掛川古城の跡、若き日の直政が合戦で活躍した高天神城の跡もあります。

 直虎関連の史跡はもちろんですが、静岡には今川から徳川まで続いた史跡が目白押しなので、ぜひ訪問していただければと思います。