長年、「伝える」ことに心を砕いてきた髙田明さん。何かを人に伝える時に必要なものとは?

――「伝え方」のプロである髙田さんが、「伝える」ときに大事にしていることはなんですか。

 ひとつはパッション。熱意ですね。

 大事なことは「伝える」ことじゃないんですよ。「伝わる」ことなんです。この違いは重要です。これはテレビショッピングをしていて強く感じたことですね。ただ、普段のコミュニケーションでも同じだと思うんです。

 友だち同士でも、夫婦でも伝わることが大事です。会社でもそうです。
 わたしは今でも、アドバイスを求められた時にはテレビショッピングの指導をしています。社員も、結構うまくなってきたと思います。テレビショッピングで話しているのはみんなうちの社員なんですよ。カメラマンなどの技術スタッフもみんな社員です。だからみんなに言うんです。伝えるだけじゃなく伝わるようにしなきゃいけないって。
 そのときに重要なのが熱意です。

 イントネーションがきれいとか、話すときに噛まないとかそういうことじゃないんです。もちろん、それはないにこしたことはないですけどね。でも、一生懸命に、自分が良いと思ったものを伝えようとする姿勢は、人を惹きつけます。熱意を持って伝えようとすれば伝わるはずです。

 だから伝えようと思う理由に曇ったものがあってはいけません。テレビショッピングであれば、「これを売ってお客様に喜んでもらえるのだろうか? 本当に良い商品なのか」という気持ちでいては熱意のある話ができません。わたしは本当に良いもの、大げさにいえば買ってくださった方の人生が豊かになると信じたものしか紹介してきませんでした。

 自分が良いと思ったものであれば、みんなに伝えたいと思いますよね。おもしろい本を読んだら、ついつい人に話したい、と思いませんか。その気持ちが熱意になります。熱意があればそれは伝わる。テレビ越しでも伝わるんですよ、不思議なものですね。

 先ほども申し上げましたが、社員もだいぶ自分の言葉でしゃべれるようになってきました。わたしがいなくてもきちんとジャパネットの品質を維持できると思います。

 でも、わたしは厳しいから「あなたはもっともっと伝えることができるんじゃないか。それを目指したらどうですか」と言います。テレビで見ていては分からない部分で、もっと伝わる方法というのがあるんですよ。

明日の第十七回の質問は、「Q17.「伝わる」ために重要なテクニックはありますか?」です。