「こんな自分を好きになってくれるわけがない」「どうせそのうち嫌われる」と思い恋愛を避けていませんか? 心当たりのあるあなたは隠れアスペルガーかもしれません。自身も自閉症アスペルガーの症状に悩んだ経験を持つ発達障害カウンセラーの吉濱ツトム氏が、著書『隠れアスペルガーでもできる幸せな恋愛』で挙げているトレーニング方法をご紹介します。

 恋愛したいけれど、「こんな自分を好きになってくれるわけがない」。恋愛が始まっても、「どうせそのうち嫌われるんだ」。このように 恋愛に対して否定的な認知を持ってしまうのが、恋愛と縁遠いアスペルガーの特徴です。

 アスペルガーの人の中には、根拠もなく「自分は恋愛ができない」と思い込んでいる人が少なからずいます 。そして 異性と仲良くなろうとするたびに、その歪んだ思いが邪魔をするのです。 そんな誤った認知を是正するための心得と、具体的なトレーニング法を紹介しましょう。

自分の内面に原因を求めない

 恋愛がうまくいかない原因を、アスペルガーの人は「自分に価値がないからだ」「自分はダメな人間だからだ」と考えてしまいます。これは、以前から述べてきたとおり、強すぎる劣等感によるものです 。

 なぜ自分に自信が持てないのか。その答えを、アスペルガー人は自分の内面に求めようとしてしまいます。哲学や心理学の本を山ほど読んで精神分析を試みたり、自己啓発のセミナーに通ったり、インナーチャイルド(子ども時代のトラウマなど)を慰めようとしたり。アスペルガー人は、もともと知的好奇心が強く、 神秘的なことを好む傾向があるので 、自分の内面を探求することにハマりやすいのです。

 そうやって自分を見つめ直した結果、たとえば、── 自分は父親に愛されなかった。母親に褒めてもらえなかった。だから自己肯定感が育たなかった。 それで自分を愛することができなくなり、彼氏を愛することもできないのだ──こう結論づけて、 納得していたりします。

 しかし、アスペルガー症候群の根本原因の多くは脳の器質的障害です。劣等感が強すぎるのは生まれつきなので、トラウマに原因を求めるのは的外れです。

 仮にトラウマが影響しているとしても、過去を探求したところで何も解決しません。 そんなことより、認知療法で歪んだ認知を客観視できるようにしたほうが、よほど建設的です。自分の内面に目を向けるより、「どうすれば改善できるか」を具体的に考え 、行動することを心がけましょう 。

 自分に対する否定的な認知を是正するためには 、 次のような自己暗示の言葉を唱えることが効果的です。「自分なんてダメだ」という思いが湧き上がってきたら、ぴったりくる言葉を何度も口に出してみてください。

【自己否定的な認知を是正する言葉】
・「私には好かれる価値がある」
・「私は無条件に自分が好き」
・「私には幸せが似合う」
・「嫌われたと思うのは、アスペルガーによる思い込みにすぎない」
 

〈『隠れアスペルガーでもできる幸せな恋愛』より構成〉