◆不登校生徒数減少の裏側

 

 高校における不登校の生徒数が減ってきている。今年2月28日に文科省が発表した「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(確定値)によれば、2015年度の不登校生徒数は4万9563人である。2004年度が6万7500人で、そこから年々減りつづけ、11年間で1万7937人も減少したことになる。
 これだけなら、不登校問題は解決しているようにおもえる。学校現場の努力で、不登校の生徒が減っているかのようにみえる。

 結論を急ぐ前に、もうひとつの資料に注目する必要がある。2016年12月22日に文科省が発表した、「学校基本調査」(確定値)だ。
 そこには、通信制課程の高校の学校数について次のように記されている。「学校数は244校(独立校104校、併置校140校)で、前年度より独立校は4校増加し、併置校は3校増加している」

 独立校とは通信制だけの高校で、併置校は通信制を併設している全日制などの学校のことだ。いずれにしても、数が増えている。少子化のなかで統廃合もすすむなかで、通信制は数を増やしているのだ。
 同資料には、通信制に籍を置く生徒数についても次のように書かれている。「生徒数は181031人(男子95813人、女子85218人)で、前年度より638人増加している」。学校の数だけでなく、生徒の数も増えているのだ。

 不登校の生徒が減ってきていることと、この通信の学校数と生徒数が増えていることに、どういう関係があるのか。ある通信制高校の教頭が、次のように説明した。
「通信制高校に通っている生徒の多くは、不登校だった子なんです」

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