それまでの疑問が腹落ちするような新しい知見に触れたい、でも学術書のように分厚くて難しい本はハードルが高い……。新書は、そんな人たちにも最適の本だ。専門書と違い、新書は難解なテーマもわかりやすい文章で書かれているので、読めばきっと夢中になるはず。

「本は好きだけど、新書はあまり読まない」という人に向けて、本のプロである書店員の方々にテーマ別の「おすすめの新書」を聞くこのシリーズ。5回目は思わず「納得、共感する新書」を紹介する。

 

◆なんか分かるかも…思わず納得する「男と女」の社会学

山田昌弘・著『モテる構造ー男と女の社会学』(ちくま新書)

モテる構造:男と女の社会学』山田昌弘・著(ちくま新書)

「できる男はモテる」が「できる女はモテる」とならないのはなぜか? 面倒なことに、男らしさ・女らしさの規範は男女非対称にできている。男女それぞれの生き難しさを解剖し、「モテ」の構造について社会学の観点から分析する。

☆推薦人:ジュンク堂書店池袋本店 福岡さん
「“社会学”と聞くと、なんだか敷居が高そうな印象ですが、同書は『男と女』の社会学。多くの人の興味をそそるテーマではないかと思い推薦しました。『大学のラグビー部だった人はどのような職業につく傾向があるのか』とか『研究者の人は服はユニクロ系ではない』とか、居酒屋で友だちと話すようなテーマが研究の対象になっていて、つい『あ……なんか分かるかも』って納得してしいます。『男らしさ、女らしさ』とはなんなのか。学術的な観点から分かりやすくまとめられた一冊です」

 

◆傭兵を通じて正史ではわからない「日陰の世界史」を知る

傭兵の二千年史』菊池良生・著(講談社現代新書)

菊池良生・著『傭兵の二千年史』(講談社現代新書)

『神聖ローマ帝国史』や『パプスブルグ家の人々』などの書著を持つ、歴史家・菊池良生氏による一冊。古代ギリシャからローマ帝国、中世の騎士時代、王国割拠、近代国家成立まで、時代の転換点では傭兵が大きな役割を果たしてきた。

☆推薦人:MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店 樋向さん
「古代から現代まで、西洋の軍事における『傭兵』について色々を知ることができます。傭兵という観点からヨーロッパの歴史を見ると、正史だけでは分からない”汚れた”一面も垣間見ることができます。たとえば、15世紀に神聖ローマ帝国のドイツ王・マクシミリアン1世により編成された『ランツクネヒト』。傭兵……というよりゴロツキ集団だった彼らは、主権者の名のもと、強奪、虐殺の限りを尽くします。その誕生から衰退までをたどる章は特に読み応えがありますね。こういった日陰の世界史を知ることで、今までとはまた違う世界が見えてくるはずです」

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