自身も鬱病を患い快復した経験をもち、同じく経験者たちにインタビューを重ねた漫画『うつヌケ』がベストセラーに。『うつヌケ』で初めて作者・田中圭一氏を知った読者には意外に思われるかもしれないが、田中氏の真骨頂は“下ネタ”にある。そのこだわりを聞いた。

「絶滅危惧種的に、ファンからは大事にしてもらえているのかな」

――やはり、下ネタへのこだわりがあったということでしょうか?

 

 デビュー当時はそれほど下がキツくはなかったのですよ(笑)。でも、結局、似たような作家がたくさんいる中で、自分の得意分野で勝負していかなければ勝てないですよね。これは大学でも教えていることなのですが、ジャンプでトップを取る人は子どもの頃からジャンプが大好きなんですよ。ガロの人がジャンプに来ることができないのは才能の差ではなく、何をインプットして育ってきたかの違いによるのです。僕はサブカルの中で生きてきた人間なので、自分の血肉になっているモノがまさにそれで、自分の引き出しが多いジャンルで戦うのが結局、一番強い。そして中高生の頃から下ネタが大好きだから(笑)、そこが自分の強みになるだろうと思っていました。

 一方、90年代くらいから、ストーリー漫画の中の必然性あるSEXはOKだけれども、単に扇情的だったり、笑いのためのエロは駄目という風潮になってしまった。そこをやる人が少ないんだったらやろうと。劇画チックで、チ●コマ●コで笑いを取る、みたいな作品は意外にネット上にも雑誌にも見当たらない。みんな自主規制しているのですよ。そういう意味では絶滅危惧種的に、ファンからは大事にしてもらえているのかなと(笑)。

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