自身も鬱病を患い快復した経験をもち、同じく経験者たちにインタビューを重ねた漫画『うつヌケ』の作者、田中圭一氏。じつはゴリゴリの下ネタ漫画を描く一面も。『イカレポンチ』などにみる、振り切れた作風。なぜそこまでできるのか?

「セクスポーズ」、「ドピュンポン」

――『イカレポンチ』に登場する、「セクスポーズ」や「ドピュンポン」などの常軌を逸した(笑)発想は、どこから生まれてきたのですか?

 

 頭おかしいですよね(笑)。あれはですね、御社(KKベストセラーズ)から「好きにやってください」というオファーをいただいたからこその賜物です。普通の漫画雑誌で、そこそこの大手さんで描かせていただく時には、「好きにやってくれ」と言われても、さすがに「これやったら怒られるだろうな」という意識もわいてくるものですが、本作はすべて野放しということで(笑)。自由だったからこそ、生まれた発想なのかもしれません。

――それにしても…(笑)。一種の特殊な才能ではないのでしょうか。

 うーん。どうなんでしょう。高校生の頃からよく人を笑わすのが好きだったのは確かで、その頃から「お前の発想って違うね」っていわれていました。当時でいう発想の違いなんて大したことはないのですが、そこに妙な自信を持っていたんですよね。「俺って人より発想がぶっ飛んでいるんだ」って。小さなころに絵を描いて「うまいね」といわれて、どんどん描くようになって漫画家になりましたという作家さんも多いですけれども、それと同じなんですよね。

 ウチの家族・兄弟みんなぶっ飛んでいるかというとそうでもないですし、恐らくそこに自分の居場所を見つけたり、「ここが得意だ」というものを見つけることが大事だし、そこを伸ばしていく必要があるということを、今、大学で教鞭を執りながら実感しているところです。

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