DJ MAKIDAI、VERBAL、DJ DARUMAの三人で結成されたクリエイティブ・ユニットがPKCZ®だ。グループの成り立ちやDJの感性を活かしたマルチな活動の背景、初のリリース作品のオリジナルアルバムについて話を聞いた。文・取材/田嶋章博
 

―まずはPKCZ(R)が結成された経緯を教えてください。

DJ MAKIDAI「きっかけはHIROさんのお声がけによるものでした。そもそも僕ら3人は同い年で、それぞれ以前から顔なじみの存在でした。僕とVERBALくんは昔からいろいろな現場で顔を合わせていて、VERBALくんが主催のイベントにDJとして呼んでもらったりもしていました。また、僕がEXILEになる前にJ Soul Brothersとして活動していた時、m-floのVERBALくんとは同じレーベルのレーベルメイトでもありました。僕とDARUMAとはそのJ Soul Brothersのさらに前身となるJ.S.B. Undergroundというグループで同じメンバーとして活動していた仲間で、もう20年以上のつき合いになります。僕らに共通するのは、クラブ・シーンで育ったということと、90年代のHIP HOPに大きな影響を受けてきたという点です。そして、そんな僕らの憧れであるHIROさん。この4人がチームでやったら何か面白いことができるんじゃないかというHIROさんのお声がけのもと、PKCZ(R)というユニットが始まりました」

 

―グループとしてのテーマを教えてください。

DJ MAKIDAI「音楽を中心としながら、世の中のヒト、モノ、コトをミックスして、新しい何かをクリエイトするというのがPKCZ(R)の活動の本線になります。僕らがこれまで様々な人に出会い、様々なアーティストに触れて、様々な感覚を捉えてきたことを混ぜ合わせて、それをPKCZ(R)流にアウトプットすることでクリエイティヴな活動に変えていこうというものです。ミックスというのには、まさに今回のアルバムのようにいろいろな方々のご協力をいただいて作っていくという意味も含まれています」

 

―ユニット結成から現在までのおよそ3年の間はどんな活動をしてきましたか?

DJ MAKIDAI「自分たちが主催したものからお招きいただいたものまで、まずは本当に様々なイベントに出演させていただきました。三代目のツアーも参加させていただきましたし、僕らのプロデュース公演では、大きなところだと横浜アリーナで昼と夜に公演するというのもありました。幕張メッセや赤レンガパーク、新木場STUDIO COAST、またクラブサイズの会場でもたくさん公演させてもらいましたし、韓国や台湾、シンガポールなど海外のイベントにも出演をしました。今でもいろいろなクラブでメンバーそれぞれがDJをしたりもします。またVERBALくんのアイディアで、ファッション系のイベントでPKCZ(R)としてDJをしたこともあります。そうしたイベント出演に加えて、オリジナル楽曲の制作やリミックス制作といった制作活動もやってきました。特に結成して間もない頃は、3人で制作に関して話し合いを持つ時間が多く、イベント出演の前後にも楽屋でひたすらああでもない、こうでもないと話し合っていたのをよく覚えています」

DJ DARUMA「あれは本当にヤバかったですね。正直、楽屋に戻るのがちょっと怖かったです。うわー、またあの話が始まるんだって思ったり(笑)。でも、本当にグループとして大事なことでした」

DJ MAKIDAI「最初の頃にきっちりと話し合いをやっておいたのが凄く大きかったなと思います」

DJ DARUMA「結成当初のイベントは、「こうやろう!」とわりときちんとセットリストを固めてやっていましたが、1時間半のセットリストをひとつ作るのにもめちゃくちゃ時間がかかっていました。もう何日もかけてああでもないこうでもない。いや、ここはこうした方が盛り上がるんじゃないかとやっていました。でも、それを繰り返すことで、そういった作業も格段に早くできるようになっていきました。誰かが「こうした方がよくない?」と言うと、始めの内は「うーん…」となっていたのが、「うん、そうだね」とすり合わせの時間もどんどん早くなっていったなと。そういうやり取りの間に楽曲のアイディアもいろいろと出てきました」

DJ MAKIDAI「例えば、『OTO_MATSURI』というイベントの楽屋で「BURNING UP」という曲のリミックスを考えたりと、いろんなことを同時にやっていた記憶があります。でも、あの時のすり合わせは本当に必要な時間だったなと思います」

DJ DARUMA「本当にずーっとPKCZにまつわる何かをやっていた感覚があります。イベントもそうですし、制作もそうですね。PKCZ(R) GALLERY STOREというお店のこともそうです。特に昨年に関して、僕ら3人は何かしらPKCZ(R)のことで毎日会っていたんじゃないかというくらいよく会いました」

DJ MAKIDAI「作品としてリリースすることがなかったのでわかりにくいかもしれませんが、例えばPKCZ(R) GALLERY STOREのことに関わったり、誰かに誰かを紹介したり、それぞれがアパレルのことをやったりと、表には見えないところでPKCZ(R)として多くのことに関わってきました。そういう複合的な動きがあってこそ今のPKCZ(R)があるんじゃないかなと思います」

VERBAL「今お話があった通り、3人が経てきたいろんなキャリアを踏まえて、どうやったらPKCZ(R)らしいものができるかというのをずっと模索してきた感じです。中でもPKCZ(R)が思い描くポップとは何かを見つけるのが、ひとつの大きなテーマでした。キャッチーでありつつも、やっぱり僕らが通ってきた音楽をみなさんに感じていただきたいので、それを表現するにはどういうものがいいのかと。こういうことってメールのやり取りだけではなかなか難しくて、面と向かって話し合ったからこそ見えてくるものだと思いますし、あとはイベントやライヴの現場を経てこそ感じられるものもありました。なので、8月にリリースするアルバムに入っている曲は、これまで作ってきた曲の本当に氷山の一角で、その裏にはクラブでしかかけていない曲もたくさんあります。ある曲とある曲のマッシュアップ曲を作ってみて、それをヒントに新たな曲を作ってみたというケースもあります」

DJ DARUMA「確かに発表していない曲がめちゃくちゃありますね」

VERBAL「いずれにせよ、あんな風にああでもない、こうでもないと話し合えたのは、本当にいい時間だったなと思います。話さないとやっぱりわかりませんので」

―そしていよいよ8月2日に1stアルバム『360°ChamberZ』(スリーシックスティ・チェンバーズ)がリリースされます。このアルバムは、どんな想いで制作されましたか?

DJ MAKIDAI「先にPKCZ(R)としてデビューしつつも楽曲はリリースせず、イベントを中心にやっていくというのは、他にはあまりないパターンなのかもしれませんが、逆にそのおかげでいい意味でいろいろとトライをさせてもらえたと思っています。そうして今までやってきたことをひとつの形にまとめたいという想いが、まずは一番にありました。あとは、やっぱり作品を出してPKCZ(R)の楽曲として認識していただくことで、その後のDJプレイもより盛り上がります。アルバムには新曲のMVが3本収録されていて、こちらもたくさんの方に観てもらったりもすることで、海外を含めいろいろな方々とつながれるチャンスが増えます。やっぱり自分たちはわかってもらっているつもりでも、意外と伝わってないことも多いので、こうしてきちんとフィジカルとして形に残すことが大切なのかなと感じました。そこで今までやってきたイベントであったり、ヒト&モノ&コトをミックスしてクリエイティヴなことを生み出すという僕らの活動の集大成的なアルバムを作ろうということになりました」