独自の世界観を持って理想を学び、考える人へ聞く1週間集中インタビュー企画。今回登場していただいたのは、又吉直樹さん。ベストセラー『火花』『劇場』の作者として、最近では小説家としての活躍も目覚ましい。しかし忘れてはならない。又吉さんの根底を貫くもの、それは「お笑い」だ。芸人・又吉直樹に7つの質問から迫る。
Q1.芸人・又吉直樹にとって「お笑い」とは。その原体験を教えてください。

「クラスで全然喋らない男」の変身

 

――売れっ子芸人として活躍されている又吉さんですが、そもそもお笑い芸人としての原体験はいつなのでしょうか。

又吉 原体験という意味では中学1年の文化祭になると思います。もともと小学校の頃から自分がおもしろいことをやって誰かが笑ってくれるとすごく嬉しくなるタイプだったんですけど、中学校に入ると文化祭があるじゃないですか。「誰でも何かを披露していい」そんな“舞台”が与えられると、どうしても上がらないわけにはいかないだろうと。でも、当時の僕はクラスでも全然喋らない存在。クラスの女の子からも「又吉の声って聞いたことないよね」と言われるぐらいだったんですけどね(笑)。そんなやつが舞台に上がったんです。

――文化祭のステージで出し物をするのは3年生がメインだと思うので、1年生が出るのは珍しいですね。

又吉 そうですね。2年生のイケてる軍団は出ていましたけど、1年生は僕だけでした。ステージ発表の申請を出したら、幕間の5分くらいですけど時間がもらえたんです。そこではダンスを踊ったんですけど、普段はおとなしい1年生が急に踊り出すから、「誰だあいつは?」と騒然となって。

 先生たちは「新しいスターが誕生した!」みたいなことを言ってくれたんですが、生徒たちからしたら「誰やねん」ですよね。今でも覚えているんですけど、文化祭の帰りの下駄箱でクラスの女子が「又吉のあれ、マジでビビったな。あいつ、クラスで喋っているところを1回も見たことないのに、急に前に出て踊り始めてたけど、あれなんなん」と。まあ、普段の僕を知っている人からしたらめちゃくちゃ気持ち悪かったでしょうね(笑)。

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