運慶展、国宝展……今年は国宝イヤーである。各メディアでもたびたび取り上げられる国宝だが、その謎、基礎知識を紹介した雑誌「一個人」が評判です。
その「一個人」より、時を超えて、見る者の心を動かす「仏像」の神秘的な造形の秘密と、仏像鑑賞の際に注目すべき基本ポイントを紹介する。

仏像鑑賞3つのポイント

◆種類 ……仏にはランクがある

 頂点に立つのが如来。完全な悟りを得た者のことで、厳密には如来のみが仏と呼べる。菩薩は如来になるべく修行する者のこと。明王は断ち難い煩悩を破壊するため如来が現した忿怒の姿。はバラモン教などの神だった者で、仏教の教えや信者を守る。

 

◆サイズ ……お釈迦様の身長が基準になる

 仏典によると釈迦の身長は1丈6尺だったという。これは古代中国の周尺で約3.7mだが、日本では約4.8mとなる。この大きさの仏像を丈六仏といい、坐像の場合はその半分の2.4mほどとなる。一般には、半丈六(8尺、坐像は4尺)が多く、4尺や1尺6寸というものもある。また、丈六より大きいと大仏というが、奈良の大仏は造像された当初、5丈3尺5寸だったという。

 

◆素材 ……銅から木へ

塑像
 塑土(粘土)で造った像をいう。藁縄を巻きつけた木を芯として塑土を盛り上げ、彫刻を行なう。法隆寺五重塔の群像など飛鳥・奈良時代は盛んに造られた。

木造
 木彫の像は飛鳥時代から造られているが、平安時代に仏像をパーツごと分割して彫る寄木造り確立したことによりとなった。一材から彫り上げられた像は一木造りという。

金銅像
 銅で鋳造し、表面に鍍金(金メッキ)を施したもの。百済の聖明王から贈られた日本最初の仏像が金銅像だったこともあって、法隆寺本尊など飛鳥時代は金銅仏が主流となった。

乾漆造
 漆に木の粉などを混ぜた乾漆「木屎(こくそ)漆」で造形した像をいう。粘土の原形の上に布を貼り乾漆を盛る方法と、木で芯を作る方法がある。奈良時代に流行し平安時代以降すたれた。

『一個人』2017年9月号より構成〉