独自の世界観を持って理想を学び、考える人へ聞く1週間集中インタビュー企画。今回登場していただいたのは、又吉直樹さん。ベストセラー『火花』『劇場』の作者として、最近では小説家としての活躍も目覚ましい。しかし忘れてはならない。又吉さんの根底を貫くもの、それは「お笑い」だ。芸人・又吉直樹に7つの質問から迫る。
Q4又吉さんのお笑いというと一発ギャグが代名詞です。一発ギャグはどうやって身につけたんですか?

一発ギャグは「自殺行為」。そんなことできない…

〈「学考」又吉直樹 前回記事:24時間お笑いのことを考え続ける。又吉直樹、NSC時代の原点

――又吉さんの代名詞である、シュールな一発ギャグはどうやって生まれたのでしょうか。

又吉 一発ギャグも最初は苦手だったんです。芸人ってみんな一発ギャグをやっているイメージじゃないですか。でも僕は大の苦手だったので、避けていたんですよ。だって、間寛平師匠とかFUJIWARAの原西さんのようなレジェンドたちは別格ですけど、若手のいわゆる“ギャガー”と呼ばれる人たちがウケている光景って見たことがなくて(笑)。

 そんな自殺行為みたいなことできないですし、当時は、根性のあるやつが一発ギャクをやって、スベって、それをきっかけに場を盛り上げていくという起爆剤的なものとして捉えていたんですけど、僕はその起爆剤の爆発で死ぬぐらいメンタルが弱い……(笑)。だから避け続けていたんですよ。

――一発ギャグをやるようになったきっかけがあるんですか?

又吉 一発ギャグを避けていた一方で、もともと大喜利のライブには同世代の中では呼んで貰える機会が多かったんです。でも26歳ぐらいの時ですね、「今まで一発ギャグを避けてきたけど、そろそろ向き合わなあかん」と思ったんですよ。で、そのとき思ったのは、「一発ギャクを一発ギャグだと思うから、できないんじゃないか」と。「だったら大喜利のお題で出たらどうすんねん? 大喜利のお題で『ある芸人が生み出した、絶対にウケる一発ギャグとは?』というお題が出たときに、お前は回答せえへんのか?」と自問自答を繰り返すようになって。

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