独自の世界観を持って理想を学び、考える人へ聞く1週間集中インタビュー企画。今回登場していただいたのは、又吉直樹さん。ベストセラー『火花』『劇場』の作者として、最近では小説家としての活躍も目覚ましい。しかし忘れてはならない。又吉さんの根底を貫くもの、それは「お笑い」だ。芸人・又吉直樹に7つの質問から迫る。
Q6.綾部さんはどんな相方でしたか? 又吉さんのどんな所を引き出してくれたと思いますか?

“自己陶酔モード”を厳しく指摘してくるのが綾部

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――綾部さんとの関係性について教えてください。相方の綾部さんはアメリカに活動拠点を移され、最近はコンビの活動が減っていますが、相方として又吉さんのどういう所を引き出してくれたと感じられますか?

 

又吉 僕ってたまに“自己陶酔モード”みたいなものに入っちゃうときがあるんです自分に酔ってしまう瞬間があるというか。そこをあいつは厳しく指摘してきますね。

 ちょっと抽象的な表現になってしまうんですが、「自分は“こう”なんだ」とか思い込んでしまうことがあるんです。僕はやっぱり何にしても過剰な部分があるので、落ち込む時は本当に一回トコトン落ち込むんです。そのときに綾部はそれを許さないんですよ。「いらないよ~、お前のそういうやつ~。そういう、なんか変な世界観みたいなのを出したがるよな~いらねえんだよ」と言われるんですよね。すると、こっちも冷めてくるというか、冷静になるというか(笑)。

――ははは(笑)。

又吉 例えばファッションとかでもいろいろ思うことがあるんですよ。みんな流行の服で「オシャレ」とか「オシャレじゃない」とか言っているけど、結局はデザイナーがいて他人が作ったものを着ているじゃないかと、そう思ったら急に冷めてきて古着のボロボロの服ばかり着るようになるんですよ。そうすると、「もーいいよ、そういうの~。“自分が分かってます”みたいなの~」「いや結局人が作ったものだから…」「その中でやるんだよ!」と怒られる。

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