独自の世界観を持って理想を学び、考える人へ聞く1週間集中インタビュー企画。今回登場していただいたのは、又吉直樹さん。ベストセラー『火花』『劇場』の作者として、最近では小説家としての活躍も目覚ましい。しかし忘れてはならない。又吉さんの根底を貫くもの、それは「お笑い」だ。芸人・又吉直樹に7つの質問から迫る。
Q7.9月に行われる舞台。その抱負をお聞かせください。

「さよなら、絶景雑技団」

「学考」又吉直樹 前回記事:又吉直樹が芸人でいられるのは綾部のおかげ?綾部との関係性

――今年の9月9日と10日に「さよなら、絶景雑技団」という舞台が行われますが、公演名はどういった意味なのでしょうか。

 

又吉 実は同じタイトルで2009年からずっとやっているんですけど、“絶景”というのは、始めた当時、いろんな風景とか、何気ない瞬間みたいなものを見つけたいという思いが強くあって。いわゆる「心の中にある風景」だったり「記憶の中にある風景」という意味ですかね。その風景を舞台上で作る集団ということで“雑技団”ということです。

――では「さよなら」にはどのような意味があるのでしょうか。

又吉 僕のなかで“旅”のイメージがあります。その訪れた街の子ども達に絶景雑技団の芝居を見せたあと去っていく。そんな僕達に向かって、「さよなら絶景雑技団―!」と子どもたちが言っているイメージ。この由来を他の芸人たちに言ったら「え、そうだったんですか!?」と驚かれましたけど(笑)。

――「さよなら」の部分を意味深に受け取っている人もいるかもしれませんね(笑)。今はネタ作り段階だと思いますが、ネタ作りに詰まったときはどうしているんですか?

又吉 「これはもうちょっと考え続けたら何か出るな」という時はそのまま考えますが、「これもう出えへんやろ」というときは、散歩したり人に会ったり。他には読書や音楽を聴いたりして、インスピレーションを探しにいくということが多いですね。ただ、普段から誰かと会ってみたり、行ったことない洋服屋に行ってみたり、入ったことない店に入ったりして、いろいろな刺激を自分に与えてはいます。机に向かって「さあネタを作るぞ」というより、普段の生活のなかで浮かんでくることが多いというか。

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