ノンフィクション作家、谷川彰英が名古屋をたどる。寺院の数が日本一多い愛知県。『名古屋地名の由来を歩く』(著・谷川彰英)より、名古屋の街並みの魅力を紹介する。

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どこを向いても道徳ばかり

 名古屋の地図を見ていて、最初におもしろい! と気づいたのがこの「道どう徳とく」(名古屋市南区)という町名だった。名鉄常滑線に「道徳」という駅名がある。こんな道徳的な駅はこの名古屋しかない。とにかく行ってみよう。

 駅を降り立つとホームの看板にいきなり「気楽に楽しめる パチンコ&スロット 道徳会館」という看板が目に飛び込んできた。「パチンコ」と「道徳会館」という取り合わせが何ともいえず味がある。さすが名古屋だと妙に感心するばかりだ。

 駅を降りると、目の前の商店街は「道徳銀座」、さらに「道徳交番」、「道徳保育園」、かなり大きな「道徳公園」の隣には「道徳小学校」がある。
 ちょっと戸惑ったのは学習塾の看板で「算数・数学 英語 国語道徳教室」と書いてあったことだ。これは「算数・数学」「英語」「国語」と並んで「道徳」も教えてくれると思ってしまうが、もちろんこれは「道徳」にある「教室」という意味だ。

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