夏の甲子園もいよいよ最終章に突入。広陵の中村奨成がホームラン記録を塗り替え、仙台育英対大阪桐蔭では9回にとんでもないドラマが起こるーーさまざまな思いが交錯したひたむきなプレーが胸を打つ。高校野球を取材し続ける「高校野球ドットコム」は「野球ノート」を取材し続け、「野球ノートに書いた甲子園」と題した書籍のシリーズはこの夏第五弾を迎えた。高校野球ドットコム編集部にグラウンドにあった取材秘話を記してもらった。
甲子園に出れたチームも出られなかったチームも、同じようにひたむきな姿があるのだ。

福岡大大濠の丁寧さ

ノートからその日のメニューを移す亀井主将兼コーチ

 今年5月下旬、「野球ノートに書いた甲子園5」の取材で福岡大大濠グランドに足を運んだ私は、2つの「丁寧さ」に感心しました。
 1つは(もちろん)「野球ノートに書いた甲子園5」に主人公として登場する亀井毅郎主将兼学生コーチ。常に周囲に気を配り、選手たちの動きに目を配り、叱咤激励の言葉をかける。
 さらに八木啓伸監督をはじめとするスタッフにも心を配る。「彼がいるおかげで僕らスタッフはすごく助かっています」と話すのは八木監督。ノートの書き方が簡潔かつ丁寧なのも頷けます。

 そしてもう1人は古賀悠斗捕手と共に文中にも登場して頂いているエース・三浦銀二投手の「キャッチボール」。
 キャッチボールは足の踏み出し、体重移動から指先まで気を遣いながら、1球1球を丁寧に投げるのですが、それがほぼ寸分違わず相手の胸に差し出したグラブに糸を引くように届くのです。センバツ(ベスト8)でのタフネスぶりと制球力の高さは、このキャッチボールあってこそなのでしょう。
「素晴らしいね」と思わず声をかえた私に「ありがとうございます」と応えた三浦投手。その時、浮かべた満面の笑みが印象的でした。
『野球ノートに書いた甲子園5』福岡大大濠・主将に胴上げを。監督と綴る交換野球日記担当)