日本の最貧困地区と言われる沖縄。そのリアルを個々の事例に踏み込みながら活写する。

「何よりもまず、互いの愛を熱く保ちなさい。愛は多くの罪をおおうものである」(聖書より) 

・佐倉まきさんの場合(35歳・那覇市・翻訳者) 

 

 今回紹介する佐倉さんは、那覇の港町近くの県営団地に3人の子供たちと生活をしているシングルマザーである。父親がアメリカ人のハーフの佐倉さんは目鼻立ちがはっきりとしている美人だ。しかし長年の苦労のせいかどこか影を帯びた女性だ。

 佐倉さんとの出会いは、私が勤める会社の英文書類を訳してもらったのが縁である。敬虔なキリスト教徒の佐倉さんは、何度も私を教会に誘ったがそのたびに私ははぐらかしていた。

次のページ 19歳で妊娠。夫は16歳だった