Numberが描いてきた「怪物」たち

 夏の風物詩、甲子園が終わりはや1週間。埼玉県初の夏制覇、ミレニアム世代の活躍……大いに盛り上がった今大会はやっぱり中村奨成だろう。清原和博さんの持つ1大会本塁打記録を抜く6本塁打。打点、塁打数でも新記録を打ちたてたうえに足も速く、肩も強い。新・怪物が誕生した大会だった。

 甲子園に怪物は相性がいい。これまでも多くの逸材が甲子園から生まれ、語り継がれている。

 総合スポーツ雑誌の草分け的存在である『Number』(文藝春秋)。

 この『Number』が今夏、甲子園を沸かせた“9人の怪物”をテーマとする一冊の本を出版した。タイトルは『Number甲子園ベストセレクションⅠ 9人の怪物を巡る物語』。そこには、PL学園のKKコンビ、松坂大輔、松井秀喜をはじめ、ファンの胸を熱くさせる26編の活字のドラマが収録されている。

 テレビで見たあの名勝負の裏側にどんなドラマがあったのか? 『Number』が見た甲子園の怪物たちの真実とは──? 今回から『9人の怪物を巡る物語』の担当編集者のインタビューを3回にわたってお届けする。

 

 春夏の高校野球の季節になると、書店やコンビニの棚に並ぶ『Number』の甲子園特集号。思わず手に取ってページをめくる人も多いはずだ。ずいぶん昔からやっている企画のように思うかもしれないが、意外なことに、甲子園特集が毎年恒例となったのは2009年以降のことだという。

「2009年7月発売の734号で、松坂大輔を表紙にして『甲子園が揺れた夏。』という特集をやったのですが、それが16年ぶりの甲子園特集でした。でも、当時はまだ、『どれくらい売れるのか』と想像ができなかったんです。)でも、発売されるとありがたいことに予想以上の売れ行きで……。完売です。通常号よりも良かったかもしれません。それからですね、甲子園特集を毎年やるようになったのは」

 そう話すのは、現在はNumber出版部の部長を務める高木麻仁さん。高木さんによると、以降の甲子園特集で表紙を飾ったのは、清原和博、桑田真澄のKKコンビ、松坂大輔、松井秀喜、斎藤佑樹、清宮幸太郎の6人しかいないそうだ(編集部注:今夏発売号で田中将大が表紙を飾り7人となった)。