怪物清原が怖れる怪物

 この怪物清原に大きな影響を与えた怪物がいるとするなら、いったい誰なのだろうか。『清原和博への告白』の編集者でもあるNumber出版部の高木さんは、それはもう1人のKK、桑田ではないかと見る。

「先日発売された今年の甲子園特集号で、清原さんが桑田さんのことを語っているのですが、それを読むと桑田さんのすごさがよくわかります。清原さんは本当に、『桑田には勝てない』と思っていたんだな、と……」(高木さん)

 高木さんによれば、清原の話のなかで桑田のことが少し出てくると、その数行だけでも“桑田のすごさ”が驚くほど語られていると感じるという。

 象徴的なのは、清原が「KKコンビ」の順番にずっと不満を抱いていたという話だ。一般的に、マスコミ報道でKKは桑田・清原の並びで表記される。ところが、清原は桑田が先ということに納得がいかないらしいのである。

「清原さんいわく、五十音順なら『かきくけこ』で、『き』の自分のほうが『く』よりも先なのに、どうして桑田・清原なんだと。高校時代からそのことを考えていたそうです。おそらく、桑田さんはKKの順番なんて気にしたことさえないでしょうね(笑)」(高木さん)

 名前の順番にこだわるのは、清原が桑田に嫉妬しているためだという。普通に考えれば、体格を含めて野球選手としてのポテンシャルは清原のほうが優れているように思える。嫉妬するのは、むしろ体の小さい桑田のはずだ。
 しかし、清原は3年間、誰よりも近くで桑田のことを見てきた。ピッチングはもちろん、桑田のバッティング、守備力、野球センス、そして練習への取り組み方……。それらを見て、桑田を畏怖するようになったのだ。

「清原さんにとって、桑田さんはそれだけ特別な存在なんでしょう。清原に比べて、桑田さんは怪物と呼ばれることの少ない選手でしたが、その“怪物清原”が唯一認めていた怪物、それが桑田さんだったんだと思います」(高木)