「今さら聞けない」ニュースのキーワードについて、「分からないことはなんでも聞いちゃう」いまドキの社会人、トオルくんとシズカちゃんが第一人者の先生たちに話を聞いていきます。
第一回のまとめ~2020年を境に、センター試験が名称を変える。これまでのマークシート式に加え、一部記述式の問題も導入される。今回の教育改革の背景にあるのは、政府・財界の要望。試験のフォーマットを変えることで、教育界全体に「自分の頭で考える人材を育てよ」というメッセージを発信しようとしている。

第二回のまとめ~目下すすめられている教育改革は、実は「ゆとり教育」における改革との類似点が多く見られる。教育の「量」への批判という点だ。しかし「ゆとり教育」は、現場の教師が対応できずに失速した。教師たちの対応力が問われる。

ベンジャミン・ブルームの教育3レベル。日本の教育は「2まで」

シズカ…ここまで石川先生に日本の教育の問題点について教えてもらったけど、海外はどんな状況なのかしら。

石川(石川一郎「香里ヌヴェール学院」学院長、『2020年からの教師問題』著者)…ベンジャミン・ブルームさんというアメリカの教育心理学者がいます。彼は教育の内容を大きく3つに分類しました。かなりざっくりいいますと、1つめは「知識を再現すること」、2つめは「要約ができること」、3つめは、「要約し、自分の考えを述べること」。ここまで私のお話に耳を傾けていただければ気づくはずですね。そう、日本の教育は2までなんです。

トオル…あっ大学入試の試験問題で言えば「傍線部の作者の気持ちを100字で述べよ」みたいな問題のことですよね。

石川…そのとおり! 正しく、過不足なく、自分の考えを入れずに書くことが良しとされています。一方で、欧米では3つめの問題も用意されています。クリエイティブシンキングやクリティカルシンキングといいますが、これができる人が全体の1%でもいれば御の字という考え方です。

トオル…え、1%で足りるの?

シズカ…問題を出すけど、現実的にほとんどの人は最適な解を見つけられないだろうと、出題者側も思っているのかしら。

石川…この1%は相当な付加価値を持っていますから1%でいいのです。この1%は社会を引っ張っていく力を持っています。欧米では3ができる人が社会を引っ張るのに対し、日本は2を得意とする人が出世していく。実際に中間管理職には2の能力に長けた人が多いです。

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