イヌワシやオオタカなどの猛禽類とタッグを組み、獲物を狩る「鷹狩」は、紀元前には開始されていた。翼を広げて空を舞う姿は雄壮であり、映像からも迫力が伝わってくる。
 アラブ諸国では盛んに行われているが、日本ではあまり見られなくなった。鳥を調教する鷹匠の数も減少しており、伝統文化の消滅が危惧されている。

 しかし現在は、害鳥駆除という、新たな路線での活躍が期待されている。害鳥とはおもに、ハトやカラス、ムクドリなど。田畑だけでなく、市街地では糞害やゴミ箱を荒らすなどの被害が報告されている。

 害鳥はマンションのベランダやビルの屋上などに巣を作る。さらに繁殖力が強いため、なかなか減らないのが現状だ。とはいえ、人が多く集まる場所では銃などで駆除、威嚇することは難しい。そこで、鷹匠が注目されるようになった。
 害鳥の多くは猛禽類を苦手とする。そこで、害鳥の生活場所に鷹を飛ばし、威嚇することが効果的だという。時間帯を変えて繰り返し行うことで、害鳥を追い払えるというわけだ。

 鷹匠になるには、各流派や団体の認定が必要だ。鷹の本能を熟知し、呼び戻しなどの訓練が不可欠となり、その道のりは決して平坦なものではない。しかし、訓練を通じて鷹と信頼関係を築くことができるという、何ものにも代えがたいよろこびがある。

 猛禽類は鳥カフェなどでも人気があり、一般でも飼育されるようになった。しかし、鷹狩に用いられるオオタカなどは、日本産の場合は捕獲・飼育が禁止されている。また、ワシを含む大型の猛禽類の飼養・保管には許可が必要であり、誰もが飼育できるものではない。昔と違って鷹匠への門戸は開かれているが、手軽に始められるわけではないのだ。
 それだけに、現代の鷹匠は、猛禽類への愛情も深いだろう。動物と暮らす場合は、こうした姿勢も見習いたいものである。

 本誌10月号では、「カラダとココロが喜ぶことをはじめよう!」として、体を動かす趣味を特集している。そのなかで、鷹狩をはじめとするさまざまな動物アクティビティを紹介しているので、ぜひチェックしてほしい。