先日発表された、タイムズハイヤーエディケーションによる世界大学ランキング。日本の大学では、トップの東京大学ですら46位。ではその上位に食い込む大学は何が違うのか? 同大学ランキング5位、マサチューセッツ工科大学の傾向を読み解く。

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科学・工学分野は世界最先端!

 

 マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)、通称MITは1861年に設立された私立大学です。

 マサチューセッツ州のケンブリッジにキャンパスを構え、世界有数の一流校として有名です。学部は、(1)建築および都市計画・地域計画、(2)工学、(3)人文・芸術・社会科学、(4)経営学、(5)科学の5つに分かれています。MITの科学・工学分野における研究や教育は世界最先端レベルであり、特にSTEM分野で突出していることでも有名です。総在籍者数は11000名強で、そのうち学部生は4500名です(ちなみに「世界大学ランキング」では、PhD生:学部生の割合が高い方が良い評価を受けるので、MITのような院生が多い大学には有利なのです)

 大学の創設は1861年。南北戦争が始まるちょうど二日前、William Barton Rogers氏を初代学長として迎えて設立されました。

 MITの学長となる前はウィリアム・アンド・メアリー大学の教授であったRogers氏はドイツの研究大学をモデルとした「新しい技術系専門学校」を設立したいというビジョンを持っていました。

 当時のドイツの大学は、産業との協力、交流を積極的に進めており、大学での研究が効率的に産業応用される体制ができていました。また大学-産業界の人材の行き来も盛んで、例えば大学の教授がビジネスの現場で活躍する、産業界の著名人が大学で講演する、ということが行われていたわけです。MITはこうした産学連携を推進する大学への変貌を目指したのです。

 設立当初は、キャンパスはボストンのバックベイに位置していましたが、1916年、ケンブリッジに移設されました。この移設は匿名の献金者からの寄付金により可能となったのですが、この献金者がコダック社(写真用品メーカー)の創業者George Eastman氏であったことが後に判明しています。

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