2020年教育改革の目玉とされている「アクティブ・ラーニング」。従来の詰め込み式教育をやめて、生徒による主体的な学習へと転換させるものだが、はたして効果はあるのだろうか。2017年10月に『教育改革の9割は間違い』を上梓する諏訪哲二氏に聞いた。 

◆積極的なティーチングがすべてではない

 

 教師みんなが能動的、積極的なティーチングができるわけではないし、それが正しいともいえない。教師には、教師それぞれの個性に合った教え方があるはずである。

 すべての教師が生徒を積極的に討議させたり、発表させて互いに学び合わせたり、結論を深いレベルでまとめ、それを生徒たちに学ばせることなど、どんなに努力してもできようはずがない。
 子どものすべてが能動的学習に突入することはできないように、教師の多くも能力的、性格的にアクティブ・ラーニングを指導するうえでコントロールできるわけがない。

 生徒同士で討議すること自体がむずかしいし、仮にグループ毎(ごと)にまとまった意見が出されたとしても、教師はふつう整理しきれない。
 一方的にまとめることはできるかもしれないが、グループ毎ごとに論議のレベルに差があったり、論議の方向性が違っていれば、教師が「正しい結論」にまとめることはできない。

 とりわけ、授業展開と形式がパターン化されている教育方法に多くの教師は馴染みにくいし、教育(授業)の自然性に合わないように思う。仮に、生徒のグループの意見がまとまっても、いいっぱなしで終わる。多様性が確認されるだけである。

 クラス運営も授業も、教師一人ひとりの自由になるわけではない。「行政のちから」「民間のちから」「子どものちから」によって枠組みもやることも決まっている。教師が「正しい」と思っていることをやれるわけではない。

次のページ 教師は独自の授業を追求するべきである