タブー視されることが多い障害者の性。当然のことだが彼ら、彼女らにも性欲はある。そこで今回は障害者の方の性にまつわるエピソードを取り上げる。

事故後多くのことができなくなった

 

 先日、知人の介護福祉士のAさん(女性)が親しくしていたYさん(男性)が、亡くなった。

 Yさんは十代の頃不慮の事故に遭い、頚髄を損傷してから首から下、手と足が動かせなくなり、事故以降、車椅子生活を余儀なくされた。

 Yさんは、目が覚めたと同時に、いきなり障害者となった。

 昨日まで出来ていたことが、突然出来なくなった。

 それは、何も難しい作業ができなくなったということではなく、ちょっと鼻の頭が痒いとか、そこのペンを取るとか、水を飲みたい、食事をしたい、といった事故に遭うまでは意識せずとも行っていた行為が、一切できなくなってしまった。

 それどころか、感覚機能や排せつ機能、自律神経、その他諸々の二次障害も同時に発生する。今まで身体が勝手に行っていた、汗をかく、排便排尿をする、暑さや寒さを感じるということその他等々ができなくなってしまったのだ。

 それら障害に対してYさんは、懸命なリハビリを重ねに重ね、なんとか介護サービスの手も借りるなどして、一人暮らしを送れるまでになった。手は使えないが口をつかってパソコンを操作し、イラストを描いたりもした。そのイラストは本人のブログで公開するとファンがつくようになって、個展を開催するまでになった。

 障害は負えどもYさんは、とても行動的に人生を送った。 

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