世界最悪の紛争地ソマリアに飛び込み、地元のギャングたちを脱過激化していく。誰にも真似のできないアプローチでテロと紛争に歯止めをかけようとする。NPO法人アクセプト・インターナショナル代表理事の永井陽右さんは、熱い志と、冷静な視点をあわせ持った、若き活動家だ。「ミレニアル世代」の永井さんが考える、「国際協力」の新しいカタチとは。

脱・過激化のカギを握るのは「幻滅」というキーワード

ーーソマリア人ギャングを社会復帰させていくにあたり、彼らの国民性や文化の違いでは苦労はありませんでしたか?

 やはり色々と文化の違いはありますね。例えば、初めて会うギャングには酒なりミラ(ソマリア人が大好きな葉っぱ)といったお土産をこっそりと渡すといった流儀みたいのがあったりします。僕はことごとく無視しますけど(笑)。

 やはりギャングは今まで居場所のなかった人々なので、褒めてあげたり、認めてあげることがポイントだと思いますね。表彰式なんかで一人ひとり記念写真を撮ってあげるとすごい喜ぶんです。ただずっと褒めているわけにもいきませんし、ときには叱る必要のある場面もあります。たとえばギャングをうちのプロジェクトスタッフとして雇用することがありますが、そこで適当な仕事をするようであれば、「給料払わないぞ」という話しをしなければいけない。これはどこまで言っていいものか、いつも迷います。

 過激化を語る上では「幻滅」がキーワードとしてあるんですよね。いったんは脱・過激化してうちのメンバーに入れたものの、クビにしてしまえば「もういいや、終わった」と感じて再過激化の可能性が非常に高くなる。一方で、過激派組織に入ったものの「こいつらは人を殺しまくってるだけで全然正しいことやってないじゃん」というのもまた「幻滅」なんです。

 こういうタイミングでうまく彼らにアクセスすると、脱・過激化することができる。ギャングにとっての「幻滅」を頭に入れて行動することが重要だと思います。とにかくテロと紛争を解決するためには、紛争アクターになっているギャングや過激派を味方にするのが一番効率的なんです。紛争の要因を減らすことができるし、同時に新しい社会の担い手を増やすことができますから。

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