・企業や自治体の奨学金返還支援策もあるが、下調べが必要

 国の給付型奨学金以外にも、人手不足を背景に、民間企業が求人募集の際に奨学金返済支援を打ち出すケースが増えている。また、地方自治体が、条件を満たせば返還不要になる独自の奨学金を創設する事例も多い。こうした動きはこれから進学する学生にはありがたいところだろう。

 ただ、これらの奨学金を利用する際にも、よくよく注意が必要だ。というのも、受け取った後から分かる「落とし穴」が存在する例も多いのだ。例えば、あるドライビングスクールを運営する会社では、月々の奨学金返済額の50%(上限1万円)を給料に上乗せする支援策を公表している。

 ただし、5年以内にこの会社を退職すると、これまで受け取った額を全て会社に返還しなければいけないというペナルティがあり、しかも、このペナルティは公表されておらずNPO法人POSSEの独自調査に同社が回答して判明したのだ。

 奨学金返還支援というと、「支給金額」ばかりに目がいってしまうが、最も注意すべき点はそれに伴う条件である。自治体の奨学金返還支援策にも、同様に早期退職に対するペナルティが設けられているケースが多く、利用する際にはこの点を事前に確認しておいたほうがよいだろう。

 このように企業や自治体の支援策には問題点も多いが、全てのケースで退職に関する条件が設けられている訳ではなく、とても良心的な奨学金もある。こちらも事前に下調べを行い、よりよいものを見つけることをお勧めする。
(国や企業、自治体の奨学金返還支援策の詳細は拙著『ブラック奨学金』の第6章をご覧いただきたい。)


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