NHK高専ロボコンが今年で30周年目を迎える。有明コロシアムで行われる全国大会を前
に、各高専はどんな激闘を繰り広げるのか。勝負のポイントをルールをもとに考察。書籍
『闘え!高専ロボコン ―ロボットにかける青春―』(KKベストセラーズ)から一
部紹介する。

◆各校、どう挑むか!?

 

 ルールが発表されてからは、高専生たちのアイデアを巡る戦いが始まる。

 5月いっぱいはルールに関するQ&Aをロボコン事務局との間で行い、6月下旬にアイデアをまとめた「アイデアシート」の第一弾を事務局に提出する(最終のアイデアシートは8月下旬の提出)。7月半ばをめどに、アイデアの可否が事務局から高専に戻され、そのころにはロボット製作が本格化する。

 どんなところに勝敗のポイントがありそうか。ルールから考えてみたい。

 ひとつは、「刀」以外の手段で風船を割る「秘密道具」の製作と使用が認められていることだ。「分離物」(飛び道具)でも構わない(ただし安全のため、金属や木材などの硬い材質や液体、化学薬品などとあわせて、鋭利な形状も禁止されている。また、「分離物」が観客席に飛び込んだ場合は即失格となる)。ルールブックによれば、この「秘密道具」によって、「高専ロボコンの魅力である『アイデア対決』を今年はより強く意識してほしい」とのこと。

 試合で使用する「刀」の素材は軟らかいスポンジ製で、風船も根本が固定されるわけでない。そのため、「刀」を単純に振り回しただけでは、風船は反動で逃げてしまい、簡単には割れそうもない。「秘密道具」の使い方が、勝敗を分けるカギを握りそうだ。多様なアイデアの競演を期待したい。

 もうひとつの特徴は、1チーム最大3台まで製作が認められていることだ。たとえば、タイプの異なる3台のロボットをつくり、対戦相手に応じて、試合で使うロボットを選んだり、極端なケースでは、3台すべて同じタイプのロボットをつくり、ロボットどうしが激突する消耗戦に備えたりという作戦がありうる。あるいは、ロボット製作にかける労力や時間を集中させるため、2台しかつくらないという選択も可能だ。

 なお、ロボットの重量制限も、昨年の40kgよりは少し低くなり、試合に使う
2台の合計が30kg以下となった。ロボット1台の重量制限は20kg以下だ。風船をどのように割るか、「秘密道具」も含めた割り方のアイデアもさることながら、2台ないし3台のロボットにそれぞれどのような機能をもたせるか、ロボットごとの役割分担や連携も、勝敗を分けるポイントになりそうだ。

『闘え!高専ロボコン ―ロボットにかける青春―』(KKベストセラーズ)より構成。本書では写真でふりかえるロボコンの30年史も紹介されている〉