ボジョレー・ヌーヴォーとは、フランスのボジョレー地方で作られる新酒で、毎年11月の第3木曜日に解禁される。日付が変わると同時に乾杯するシーンをニュース映像などで見たことがあるのではないだろうか。
 ボジョレー・ヌーヴォーには、その年に収穫したブドウが使われている。ワインの完成するタイミングに合わせて解禁日が設けられているわけだが、最初は11月11日に固定されていた。この日は聖マルティヌス(サン・マルタン)の日であり、それにもからめたというわけだ。

 

 しかし、無名戦士の日になってしまうと、11月15日のサンタルヴェールの日を解禁日にすることに。これで定着するかと思いきや、日曜日にあたるとフランスではレストランなどが定休日になるので都合が悪い。そこで、現在のように「第3木曜日」になったとされている。

 ボジョレー・ヌーヴォーは、マセラシオン・カルボニック法という醸造方法で作られる。樽にはブドウを房ごと入れて密閉し、発酵したブドウから発生する炭酸ガスで色や味を抽出するというものだ。このような製法を用いることにより、製造期間を短縮できるという。
 こうして作られたフレッシュな味わいは日本で人気だが、ワイン好きには不評なことがある。「何年物のワインが最高」などというように、一般的には熟成されたものが好まれることも一因だ。
 そもそも、ボジョレー・ヌーヴォーは試飲用なので、じっくり味わうタイプのワインではない。味見しながら将来を予測する、初物を楽しむといった感覚でいただくのが本筋ともいえる。

 それではなぜ、日本ではここまで盛り上がっているかといえば、メディア戦略もあるけれど、世界で一番早く解禁されるというプレミア感も大きいだろう。特別なものをいただくという体験をしたい。そんな気持ちが一大イベントに押し上げたといえば言い過ぎだろうか。

 今年もボジョレー・ヌーヴォーの解禁日が近づいてきた。今回は11月16日。赤ワインではあるが、冷やしてからさっぱり系のつまみとともに楽しみたい。
 現在発売中の雑誌『一個人』11月号では、「ワイン&チーズ」と題した特集を組んでいる。さまざまなワインと相性抜群のつまみも多数登場。マリアージュのコツを知り、お気に入りのワインのベストパートナーを見つけてほしい。