現地で直に触れてみたい新旧ワイナリーの魅力

 1963年の十勝ワインの創業により、現在に連なる北海道ワインの歴史は幕を開けた。それから半世紀が経過した現在、道内のワイナリーの数は30ヵ所を超え、各地でワインづくりが進められている。北海道のワインやチーズの現状と展望を、NPO法人ワインクラスター北海道代表・阿部眞久さんにお聞きした。

 「初期の北海道のワインづくりは、十勝ワインを筆頭として自治体や企業により大規模に進められてきました。しかし2000年を境に、各地で小規模なワイナリーがオープン、北海道の食の一端を担うまでに成長しています。新旧の対照的なワイナリーを比較することで、北海道ワインの歴史を紐解くことができるので、まずはエリアごとの特徴のあるワイナリーや工房を訪れてみることをおすすめします」。

 老舗の代表としては「余市ワイナリー」と「富良野市ぶどう果樹研究所」。ともに1970年代に創業した北海道産ワインの草分け的存在。地元に密着して醸造を続ける余市ワイナリーは、“余市の顔”であり“重要な観光資源”だ。「富良野ぶどう果樹研究所」は歴史を守りながら、山ブドウを用いた独自品種を使ったフルボディの赤ワインを販売するなど、新製品の開発や質の向上に余念がない。

 小規模ワイナリーも目が離せない。異業種から参入した「さっぽろ藤野ワイナリー」は、レストランを備えた郊外型のワイナリーとして誕生。ワインに合った料理を楽しめる。家族経営の「YAMAZAKI WINERY」は、自然に包まれた環境にあり、地域の産品として、ワイナリーがある三笠市に足を向けてもらうことを大事にしている。こうしたワイナリーの存在が、北海道産ワインを活気づかせる原動力となっている。

 
次のページ 北海道ワインと楽しみたい地域ブランド化するチーズ工房