老子九章
持して之を盈(み)たさんとするは、其の已(や)むに如(し)かず。

★欲望を握らない生き方

 今月の老子の言葉は、第九章「酒を満たした杯は、いつまでも手に持っていればこぼれる」です。この意味は、酒が7割くらい入った杯ならば、持っていてもこぼれないけれど、酒を満たした杯は、保つことが難しく、すぐこぼれてしまいます。

 

 つまり、この酒を財産、地位に置き換えて考えればよくわかります。杯の大きさは人により違いはありますが、めいっぱい その杯を満たしたら、いつまでもそれを握っていないことなのです。財産も地位も、また手放して、次の代に引き継ぐ循環が大切なのです。つまり老子は、欲望を限り無くエスカレートさせて、いつまでも執着しては危ういということを説いているのです。

 大きなものを手にしても、握らない生き方。つまりある地位を得たら、また次の人に其の座を譲る時を逃さないことです。これがなかなか出来ない人が多いのです。心にとめておきましょう。

 
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