女が男を見極める3つの基準

二村 女性同士で自分の身を守るためのセックスの知識や、こういうのが楽しいセックスで、こういう相手が望ましい相手だという情報が共有されていないとしたら……。

宮台 女から女への同性間の伝承がないせいで、まともなセックスやまともな恋愛をしてくれる男を見分けることができなくなりました。失われた伝承線を埋め合わせるために、僕は自分が行っていた性愛ワークショップでは、女たちに3つの基準を挙げています。

 第一に、女が過去の性体験を喋ったときに耳を塞(ふさ)ぐ男は「同感能力を欠く」ので除外せよ。10人のうち7人の男を切り捨てられる。

 第二に、「君にはその髪型は似合わない」「君に似合いの服はこれだ」と言ってくる男は「女を似合いのアクセサリーとして見る男」だから除外せよ。

 第三に、「そろそろ母親に会わせたいと言う男」や「母親役をさせたがる男」は「母親の価値観を無自覚に内面化したマザコン」だから切り捨てよ。この3基準で残るのは10人のうち1人です。ちなみにこうした知恵は少し前まで女性の間で伝承され、シェアされてきたものです。

 でも、それがシェアされなくなったので、とても残念なことに若い女のセンスも頭も悪くなり、学習の土台がないので学習できずに失敗を繰り返し、程なく女子会で「性愛ってコストばかりがかかって無駄」とか「あの子はビッチだね」などとほざくクズ女になり果てます。

 それで仕事や資格取得や習い事などに逃避するようになった女たちに、一生独身を通すつもりなのかを尋ねると、「30歳になったら結婚します」などと答えます。バカ丸出しで呆れます。そんな無能力者の結婚は続きません。ほどなく家庭内離婚に移行することが確実です。

 社会は、法など言葉のプログラムで成り立つけど、性は、言葉を超えた匂いや体温や触感に支えられたオーラや雰囲気がコアです。象徴界(言語プログラム)に媒介された想像界(世界体験)が織り成す社会に対し、象徴界未然の想像界が大きな機能を果たすのが性愛なのです。

 だから、他の人が相手ならキャッチできない何かを「動物的に」摑めるかどうか、他の人が相手ならキャッチしてくれない何かを「動物的に」摑んでくれるどうかが、性愛の入口です。なのに今は若い男も女も言葉を頼り過ぎ。「相手がそれを嫌だというからやらない」とか。

 その点、子供に好かれる男はこうした条件をクリアしているから、女にモテます。でも逆が成り立たないのは、こうした条件をクリアせずに口がウマイだけというクズ男に、以前よりずっと多くの女が引っ掛かるからです。言葉を頼り過ぎる間は、彼女らは失敗から学べません。

 女から聞いた実話ですが、男が「これ使ったことある」とバイブを出してきて、女が「うん、もっと大きなやつ」と答えたら、衝撃を受けた男がバイブを封印した(笑)。露出プレイや複数プレイについても似た話を聞きました。そんなことで衝撃を受ける男の気が知れない。

 ◯◯プレイを体験したかどうかじゃなく、◯◯プレイを通じて何を体験したかだけがポイントです。昨今の女は相手の男が喜ぶから◯◯プレイをするだけで、自分がしたいからするケースが少ないと言いましたが、女が「したことある」と答えたときがむしろチャンスなのです。

 これも、女の心に映ったものを自分の心に映し出さず、言葉にだけ反応するから生じる愚昧(ぐまい)です。「ゆきずりの人々と複数プレイした」といった言葉に過剰反応して拒否の身振りを示す男はダメです。女から何も聞き出せないだけじゃなく、女の心を自分の心に映し出せません。

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