上海上港戦の後にピッチで感じたこと

 日本代表を離れ、ACL決勝に臨みます。

 10月18日、試合が終わった埼玉スタジアム。あの雰囲気は久々でした。
 ホームで勝った後に歌う「WE ARE DIAMONDS」は選手とサポーターのみなさんと一体感を得られる瞬間です。今シーズンはふがいない試合が続き、なかなか歌うことができずにいた……。

 だからこそ、みんなで肩を組み声を揃えた「WE ARE DAIAMOND」に「やっぱりいいなあ」と感じていました。

 ただ、これを心の底から喜び、歌うことができるのは決勝で勝ってからだとも思っています。まだ、決勝に「出る」だけです。何も手にしていません。
 ピッチに響く歌声に、心地よさを感じながらも、次への一戦に襟を正される思いを抱いていました。

 上海上港戦のセカンドレグ。0対0でも勝ち抜けが決まる僕たち浦和は、しっかりと勝ちに行くことを目指して戦いました。試合前のロッカールームでは、いつものとおり槙野君や(興梠)慎三さんが声を掛け、チームの士気を高めていました。ふだんはおとなしいラファ(ラファエル・シルバ)も声を上げ(ポルトガル語だったのですが、勝つぞ、そうすれば決勝だ、と言っていたようです)、よい緊張感を持って試合に臨めていたと思います。

 堀監督が就任して以降に取り組んできた、守備への配慮を怠らず、我慢するところ、攻めるところのバランスを意識したサッカーは徐々に形になってきています。

 

 象徴的だったのは、フッキにミドルシュートを打たれた後、周作君が珍しく大声を上げたシーンです。この試合、チーム全体で「バイタルエリアでフッキをフリーにさせない」意識を共有していたのに、あのシーンだけは少し離してしまった。だから周作君は僕たちに激しく要求をしたわけで(それは改善すべき部分なのですが)、逆を言えば、あのシーン以外は徹底できていたと言えます。
 あまりない周作君の「声」もあってチームはより引き締まり、その後もしっかりと試合に対応できました。結果、気合いの入っていたラファのゴールで決勝への切符を手にしました。

 決勝で戦うアル・ヒラルは僕にとって未知の存在です。サウジアラビアで試合をすることも初めてだし、アウェイで行われるファーストレグには、これまででは異例と言われているようですが、入国が厳しいと言われるサウジアラビアの状況もあって浦和のサポーターは240人ほどしか来られないとも聞いています。当たり前ですが簡単な試合にはならないでしょう。

 それでもそれを乗り越えなければいけません。

 クラブワールドカップに出場するために、10年ぶりのアジア王者のタイトルを得てクラブに新しい歴史を刻むために、そしてホームでもう一度「WE ARE DAIAMOND」を心の底から歌えるために精一杯プレーしてきたいと思います。
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