熊本の荒尾市出身。ヒロシさんが生まれたのは炭鉱の町だった。しかし、時代の流れとともに徐々に活気を失い…。思い出す風景は「茶色」なのだそう。

炭鉱の町に生まれ。「どんでもないところに住んでいた」

 熊本出身ではあるんですけど、熊本のはずれの方(荒尾市)に住んでいたので、いわゆる熊本の文化とはちょっと違いますね。一般的に言う熊本と僕が言う熊本は別物。

 

 住んでいたのは、福岡寄りにある炭鉱の町です。父親が三井三池炭鉱の炭鉱夫だったんです。実家も炭鉱住宅という、炭鉱で働いている人が住んでいる長屋のような家。当時は何とも思わなかったけど、今思えばとんでもないところに住んでいたなあという。とにかく汚くて汚くて。今は恐ろしくて住めないと思うくらい汚い。でも、周りの友達はみんな炭鉱住宅に住んでいたので、それが当たり前。みんな生活レベルも一緒だから、別におかしいとは思っていませんでしたけどね。

 それが、「うちって普通の家じゃないんだな」と気づかされたのはいとこが来た時です。東京と神奈川にいとこがいて、正月とかに熊本に遊びに来るんですけど、なぜだかうちには泊まっていかない。泊まっていけばいいのに、ホテルをわざわざ予約するんです。要は「うちの実家が汚いから」という理由でホテルを借りていたらしくて。それを聞いた時はショックでしたね。

 
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