昨今ウェブを中心に「ライター」の需要は増えてきている。文章を書くのは嫌いじゃないし、副業としてやってみようかと考えている読者も多いだろう。しかし、一方原稿料はとんでもなく低いなんて話も聞く。ライターは儲かるのか? 紙からウェブまで。業界の第一線で活躍を続けるフリーライターの小林拓矢氏に寄稿いただいた。

ブラック企業を退社してライターになった過去

 

 筆者はウェブを中心に、紙の書籍も手がけるフリーのライターである。3年前に結婚して、以後徐々に仕事は安定してきている。最近共著で書籍も出して売上は好調だった。それでも実感としては「ライターって儲からないなあ」である。

 もともと筆者は「脱サラ」してライターになった過去がある。2005年の5月の後半に、会社でいろいろとつらい思いをして、いきおいで独立した。ちなみにやめた会社は、出版とは無関係である。そこがどんな会社だったかは…詳しくは拙著『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)を読んでいただきたい。

 ライターになろうとしたのは、会社勤めでいじめられるのがいやになり、自分の思うように仕事をしたかったからである。大学時代に新聞記者を目指していたこともあり、書く仕事をしたいと考えていた。

 そして会社をやめたその足で、以前会ったことのある『週刊金曜日』の編集者に会いに行き、ライターとして起用してもらえることになった。また、やはり以前会ったことのある『週刊SPA!』の編集者とも連絡を取り、記事をいくつか書かせてもらえるようになった。

 だが、なかなかコンスタントに仕事があるものではない。結局は、ライターになってから約1年後に山梨県甲府市の実家に戻り、親元で暮らすことにした。たまに雑誌の仕事で書くという日々が続いた。

次のページ 1年間の売り上げが数十万のことも