もうすぐ大学受験シーズン。18歳人口の減少とともに、多くの大学が淘汰される時代を迎えつつある今、将来生き残る大学と消えていく大学の見極めが肝心になってくる。わたしたちはどのような観点から、大学を見るべきなのか?『大学大倒産時代 都会で消える大学、地方で伸びる大学』(朝日新聞出版)を上梓した木村誠さんに、新時代の大学の選び方についてお話を聞いた。

◆注目すべきは「収容定員充足率」

 

「大学大倒産時代」において生き残る大学とは、どのような大学なのだろうか。大学を評価する観点は様々あるが、「生き残る大学」を見極めるにはまず、経営状況を正しく把握する必要があるだろう。木村さんは、大学の「収容定員充足率」に注目するとわかりやすいと話す。
「収容定員充足率とは、大学の全学年の収容定員に対しての在学生数から割り出せます。この数字がだいたい100%から110%くらいの間に収まっていると、大学経営として良い状況で教育レベルも維持できていると言えます」。

 仮に、ある年に新入学生が「入学定員割れ」になったとしても、大学全体の定員充足率が100%を超えていれば、収容定員充足率は定員割れとはならない。逆に言えば、この収容定員充足率が100%を下回れば下回るほど、大学の経営状況としては悪化の傾向にある。
 今、誰もが聞いたことのある大学の中にも、収容定員充足率が100%に届かない学校が出はじめている。ネームバリューを信用し過ぎず、慎重に大学の経営状況を確認した方が良さそうだ。

「ちなみに、収容定員充足率が100%を超えていれば、それが150%くらいになっても良いのかというと、そうではありません。110%を超えてくると、大学の規模にふさわしい適切な学生数よりオーバーしているわけで、教育の質が落ちてきます。ですから、過度に高い収容定員充足率が数年も続く大学にはむしろ注意した方が良いです」。

 
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