周産期は、社会福祉とつながる格好の機会

 また周産期の期間は、生みのお母さんに対して福祉的な関わりができる格好の機会だととらえています。特別養子縁組は一つの最終手段ですが、自分の子どもをどのように導くのがいいかをお母さん自身が決定する、それはお母さん自身がこれからの人生をどう生きていくのかを考えるということでもあり、この期間に寄り添うことが、生みのお母さんが人生のリスタートの支援にもなっている考えています。

 赤ちゃんを託すことが決まっている場合、産んだ後に「養子縁組なのに母乳をあげてもいいんですか」「退院するまで同じ部屋で過ごしてもいいんですか」といった質問をよく聞かれます。病院からも聞かれるのですが、私たちは「産みのお母さんの希望通りにしてください」と言います。母乳をあげたかったらあげてもいい。退院まで一緒に過ごしたければ過ごしてもいい。お母さんがしたいようにしてから決めることが一番大切だと考えています。

 養子縁組につなげた後に「次に妊娠をした際は、ちゃんと自分で育てられるように生きていきます」と言ってくださる方も多いです。自分で育てられなくても、赤ちゃんのために決断して、無事に産まれるように頑張って過ごして産んだ、大きなということは、その人にとって、とても大きな自信になる。

 私たちは、特別養子縁組は第一義的には赤ちゃんのための制度であるけれど、産みの親に対する支援の制度でもあると思っています。

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