「共産党」「コミンテルン」から現代の混迷はつながっている。『日本は誰と戦ったのか』を上梓した、江崎道朗氏が驚きの歴史観を展開する。

◆日本悪玉論に異を唱えるアメリカ知識人

「日米戦争では、アメリカにも問題があったのではないか」
「その通りだ。アメリカのルーズヴェルト民主党政権には大きな問題があった。当時、野党の共和党も米軍幹部も懸命に警告したのに、ルーズヴェルト民主党政権は、日米戦争を仕掛けたソ連・コミンテルンの秘密工作に振り回されてしまった」

 こんな会話が日米の知識人の間で交わされる日が近い将来、訪れるかもしれません。

 アメリカでは機密文書などの情報公開に伴い、近年、日米戦争を含む近現代史の研究が進んでおり、これまでのような単純な日本悪玉論に異を唱える知識人が増えてきているからです。

 

 コミンテルンとは1919年(大正8年)、ロシア共産党のレーニンが創設し、1943年まで存在した、共産主義政党による国際ネットワーク組織のことです(そのネットワークは戦後も形を変えて続きました)。その目的は、世界各国で資本家を打倒して共産革命を起こし、労働者の楽園を作る、というものです。

 このソ連・コミンテルンの対外工作によって世界各地に「共産党」が創設され、第二次世界大戦後、東欧や中欧、中国、北朝鮮、ベトナムなど世界各地に「共産主義国家」が誕生しました。かくして第二次大戦後、アメリカを中心とする「自由主義国」と、ソ連を中心とする「共産主義国」によって世界は二分され、「東西冷戦」という名の紛争が各地で起こりました。

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 ある意味、二十世紀は、ソ連・コミンテルンとの戦いでした。

 ソ連・コミンテルンと共産主義を抜きにして二十世紀を語ることはできません。そしてこの「東西冷戦」は1991年のソ連の崩壊によって終結したと言われていますが、それはヨーロッパの話です。

 残念ながらソ連崩壊のあとも、アジア太平洋には中国共産党政府と北朝鮮という二つの共産主義国家が存在し、国民の人権や言論の自由を弾圧しているだけでなく、アジア太平洋の平和と繁栄を脅かしているからです。

日本は誰と戦ったのか コミンテルンの秘密工作を追及するアメリカ〉より構成