日本全国に数多ある名字に高校生の時から興味を持ち、研究を始めた高信幸男さん。自身が全国を行脚し出会ってきた珍名とそれにまつわるエピソードを紹介する。
画像/GAHAG

 12月と言えば、ボーナスシーズン。サラリーマンにとっては嬉しい月である。名字の中にもお金に関する名字がたくさんある。そんな、お金に関する名字を紹介したい。

 お金に関する名字では、一円(いちえん)・一万(いちまん)・十万(じゅうまん)・百万(ひゃくまん)・億(おく)のように金額の名字や、金持(かねもち)・大金(おおがね)・小銭(こぜに)・金庫(きんこ)・金箱(かねばこ)・金集(かなづめ)・金作(かねさく)・金札(かなふだ)・金盛(かねもり)・銭袋(ぜにぶくろ)等のお金にまつわる名字もある。また、今は使用しない、古銭(こせん)や小判(こばん)・大判(おおばん)等の名字もある。加えて、お金を預かるかどうかは不明であるが、「預(あずかり)」という名字まである。

 

 お金に関するだけに、エピソードも多い。取材した銭袋さんは、名前も「金也(きんや)」で、「銭袋金也」となり名字も名前もお金づくしである。そのせいで、学生時代は友達から「名前が銭袋なのだから、お前が会計をしろ」と言われ、いつも会計係を任されていたそうである。
 また、一円さんのお名前は「一億」。つまり、「一円一億」となり、「いちえん・かずお」と読ませるそうで、有名な憲法学者である。銭袋さんにしても、一円さんにしても、親が子供の名前を付ける時に、名字を意識して名付けたことが十分に伺える。それにしても、お金が貯まりそうな縁起の良いお名前である。

雑誌『一個人』2018年1月号より構成〉