おいしい酒、旨い肴、居心地のいい雰囲気。ここ数年、この3つがピタリと揃った魅力的なネオ酒場が登場し、日本酒党を喜ばせている。

多様化する日本酒の今を
カジュアルに伝える

 外観や内装は洋風バルの雰囲気だが、ここは日本酒に特化したバル。5年前、日本酒ブームの先駆け店としてオープンした。
「若い世代にも日本酒のおいしさを伝えたいと思っていましたが、当時はまだまだ“オヤジ臭い”というイメージを持つ人もいましたからね。グラスはシャンパンやワイン用、徳利ではなくカラフェで提供と、若い人たちが抵抗なく受け入れられるようにハードルを下げました」と店長の齋藤健敏さん。
「料金で選ぶと偏りが出てくると思ったので」と、3勺(54ml)340円、5勺(90ml)540円…と少量を刻みにオーダーでき、「本日の特別酒」以外は均一料金。
「難しく考えず、好みやその日の気分など、自由な発想でキーワードを投げかけてもらえれば、それをヒントにスタッフがピッタリの銘柄をお選びします。日本酒を飲む気はなかったけど、ちょっと飲んでみたらおいしかった…と思ってもらえたら本望です」。

 女性にはラベルのかわいいものや、微発泡、酸度が高く軽やかで飲みやすいタイプを勧めたり、男性にはロックで飲んでもおいしいものを勧めたり。とにかく多様性化している今の日本酒を知ってもらおうと、工夫に余念がない。
 料理も見た目は洋風でも、だしや味噌、醤油、梅干し、ショウガやネギなど、和素材を加えて日本酒とつなげていく。
「塩辛は日本酒に間違いなく合いますが、それをメニューにのせても、食べ慣れていない人は頼まない。だから隠し味に使います」。
 こうした努力によって、日本酒ファンは確実に増えている。

客層は様々で、日本酒好きの男性が日本酒に慣れていない女性を誘って、あるいは日本酒にハマり始めた女性、コアな日本酒ファン等々。
店主のイチ推し3銘柄 (左から)香川・川鶴酒造『讃岐くらうでぃ』はロックでグイグイ飲める。埼玉・南陽醸造『花陽浴』はフルーティーな新酒。山形『奥羽自慢 純米吟醸 醇辛』。コクとキレが調和。日本酒本来のおいしさが感じられる味わい。
『合鴨ロースの燻製 なめろう仕立て〜バルサミコソースで』540円。合鴨を長ネギ、ショウガと共にペーストに。乳酸飲料のような濁り酒『讃岐くらうでぃ』のロックで合わせる。
『アジと小梅のライスコロッケ』590円。梅の塩味が日本酒をさらにおいしく感じさせる。
『生ハムの薬味ロール』880円。塩味の効いた生ハムをミョウガ、針ショウガ、カイワレを巻いて。春菊のソースで。
お客さんから投げかけられたワードを読み解き、臨機応変に好みの酒を提供する店長の齋藤健敏さん。
常連客の誕生日を日本酒とビールで乾杯するスタッフ。

 

中野 青二才
東京都中野区中野3-35-7
松井ビル1F
☎03-5340-1231
営業:17時~翌1時(月~金曜)
15時~翌1時(土・祝日)
休み:不定休

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