城に限ることなく、訪れた史跡に往時を偲ぶものが残されていなくとも、石碑一本あれば、その地点が歴史の舞台であったことを実感できる。金属製や木製の案内板が設置されていれば、史跡であることを認識できるが、やはり、石碑の存在は、史跡としての重々しさを演出するアイテムとして重要な役割を果たす。

 ちなみに、一部の歴史関係者の間では、あっても実利性はないが、ないとさびしいという意味で石碑を「縁起物」と別称する。以下、お城にもよくある石碑の撮影術の「秘技」を紹介したい。

 墓や石碑を下から、あおっての撮影。
 可動式のモニターであると、アングルを確認してからの撮影が可能。この写真も連載の第41回と同じように一眼レフを持った右手を左手のスマホで「自撮り」した。モニターがないと、地面に寝そべるか、勘頼りになるのだが、可動式であれば、通常とは一味違うアングルで撮影ができる。
 京都では、さまざまな時代の史跡であることを示す石碑が町中の至るところにあるものの、看板・信号・ガードなどがアングル内に入り込むというパターンが多い。

室町幕府跡を示す石碑

  青いコンクリートの柱、床屋の青と赤の標識と不要な障害物が写り込む自転車は動かせばアングルの外になったが、トリミングでの対処も可能。

山名宗全邸跡

 背景の建物の外壁が落ち着いた色調で、ツツジの植え込みという京都の石碑としては絵になる環境に設置されている。石碑背後の障害物を外すときにも、可動式モニターによるあおり撮りが有効なこともある。

石碑のあおり撮りの具体例

  NHK大河ドラマ「八重の桜」で一躍有名になった山本八重が勤務していた女紅場(女学校)跡の石碑。夜景だと、カメラを接地させることによるブレ防止にもなる。