実は年に4回もあった「土用」

 “どようの丑の日”とは、土曜日にうなぎを食べることだと思っていた、というのは、子どもの勘違いあるあるとして有名な話。実際には「どよう=土用」であり、夏にスタミナをつけるためにうなぎを食べるという風習が知られている。そのため、土用は夏のみと思う人は多いかもしれない。

 しかし実際には、季節ごとに存在する。しかも、1日限定というわけではない。なぜなら、立春・立夏・立秋・立冬の前18日間前後を指すからだ。土用の初日を「土用入り」、最後の日を「土用明け」という。
 土用には土いじりや葬儀、引っ越しなどをすることはタブーとされた。また、新しいことを始めても続かないので、避けたほうがいいともされる。

 土をいじる、すなわち、農耕などを行うと土公神の怒りをかうなどという言い伝えもあるが、この土用は季節の変わり目にあたるので、体調を崩しやすい時期。ゆっくり体を休めて次の季節に備えようという人々の知恵と信仰が結びついて、このような言い伝えが生まれたのかもしれない。
 また、土用は体にとって過酷な時期でもあり、冬の土用なら寒中見舞い、夏の土用には暑中見舞いを贈るならわしができたとされる。

 
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