昔から年末年始は、新しい年の無病息災を願い、たくさんの福を招き寄せるための習わしが数多くあった。いまでは由来や理由が忘れられてしまったしきたりの意味を再確認してみよう(雑誌『一個人』2018年1月号より)。

日本人の古来の信仰が生きている正月行事

[大掃除]……邪気を払って歳徳神をお迎えする
 宮中では、12月13日に「すす払い」を行い、この日以降、特定の人物が精進潔斎(身を清めて特別に作った料理を食べ、おこもりをする)をして、物忌みを行った。それにより邪気を払って、歳徳神をお迎えした。これが一般化したものが、現在の大掃除の習慣である。家庭では精進潔斎は無理でも、少なくとも、神様を迎える場所はきれいにしておくこと。

[門松]……歳徳神に降臨していただく依り代

 

 わが国では、古来から、神は木や岩などの自然物に降臨すると信じられてきた。その際に神が降りるものを「依り代」と呼び、門松も歳徳神に降臨していただくための依り代である。この家は神様を迎える準備ができているかどうかの目印となるので、実物を飾るのが無理でも、門松の絵を描いたお札をドアに貼るなどはしておきたい。

[注連飾り]……家庭に厄が入り込まないように
 注連縄は、神社においては神域と俗界の結界の意味を持ち、そこから先を神域として厄を祓う意味もある。注連飾りにも、家庭に厄が入り込まないようにする役割がある。こうした正月飾りは松の内と呼ばれる1月7日、あるいは1月15日まで飾り、取り外したら、神社など、地域ごとに行われるどんど焼き(左義長)に持って行って焼いてもらうとよい。

 
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