米屋の上の麻雀サークルの部室

 2003年の春、私は京都大学法学部に合格しました。はじめてのひとり暮らしにどきどきわくわくしながら京都に引っ越したのは、入学式の3日前。その翌日、まだ自宅と大学の位置関係すら把握し切れていない私が座っていたのは、なんと麻雀卓の前でした。

 京大では、入学式の前から新入生歓迎のためのオリエンテーションやイベントが開催されています。そこにたまたま麻雀サークルの先輩たちがいたので「麻雀できます」って言ったら、数時間後にはいっしょに打つことになったのです。さすが古都京都、こんな摩訶不思議なことも起こるんですね。そして不思議ついでに、その1ゲーム目の東1局、私は親番で「国士無双」をアガったのでした。つまり、京都での初アガリが国士無双4万8000点。なかなかとんでもない事件です。麻雀がわからなくていまいちピンとこない人のためにたとえると、「道を歩いていて突然カラスに頭をつかまれるくらいの確率」だと思われます。ちなみに、私は高校時代に経験済みです。

 さて、この国士無双事件も手伝って、私は本格的に麻雀生活に突入しました。主に打っていた場所は、京大から自転車で3分の古い民家の2階。1階が米屋で、そのうえを麻雀サークルの部室として借りていたのでした。精米機の音がする薄暗い1階を抜けて、急すぎる階段を上ると、和室3部屋をつなげた広めのスペースが現れます。そこに、どこから来たのかわからない壊れた全自動麻雀卓と、こたつにマットを乗せた家庭用麻雀卓が置いてありました。ほかにはテレビとファミコンやスーパーファミコンなどのゲーム機もありました。完全なるみんなの溜まり場ですね。

 
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