『いい湯だな』の原曲はドリフ版とちょっと違う

 芯まで体が冷えたときには、湯船にじっくりつかって温まりたい。体の疲れもほぐれていき、なんともいえない幸福感に包まれる。つい、鼻歌なんかも口ずさみたくなるものだ。

 

 風呂場で歌う鼻歌の定番といえば、『いい湯だな』を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。この歌は、ザ・ドリフターズがTBS系で放映されたバラエティ番組『8時だョ! 全員集合』のエンディングで歌ったことで、爆発的にヒットした。そのため、ドリフがオリジナルだと思う世代も多いが、じつは昨年末で活動を終了したデューク・エイセスをカバーしたものだ。

 デューク・エイセスは、永六輔が作詞を担当し、いずみたくが作曲を務めた「にほんのうた」シリーズというご当地ソングを歌っていた。『いい湯だな』もそのひとつで、群馬のご当地ソングとして位置づけられている。「ここは上州」として、歌詞には草津、伊香保、万座、水上といった群馬の名湯が登場する。
 ちなみにこの「にほんのうた」シリーズは、47都道府県すべてを網羅している。沖縄県は『酒はあわもり』、静岡県は『茶、茶、茶』、三重県は『涙は真珠』など、各地の名物を盛り込んだものや、岩手県の『俺とおふくろの唄』のように、故郷を懐かしむものなどがある。

 

 一方のドリフ版は、歌詞が本家とはちょっと違う。副題に「ビバノン・ロック」とつくように、テレビでもおなじみの「ビバノンノン」という掛け声が入るなど、オリジナルとは異なるアレンジが加えられた。温泉地も群馬県(草津)に限らず、登別、白浜、別府が登場する。
 これをテレビ版にアレンジしたのが『ドリフのビバノン音頭』で、上野冷児と松原雅彦が替詞を担当。温泉地は登場せず、子どもにも親しみやすいコミカルな歌詞となっている。これは『8時だョ! 全員集合』のエンディングに使われたもので、同じくドリフの代表番組、フジテレビ系『ドリフの大爆笑』では、『さよならするのはつらいけど』として別アレンジがエンディングテーマとして使われたのだった。

 なお雑誌『一個人』2月号「お風呂の教科書。」特集では、その他お風呂にまつわる様々な豆知識について紹介している。読んでいるだけで、思わず鼻歌を歌いたくなることうけあいだ。