AIやロボット、Iotなどのテクノロジーの進化や、それに伴い将来なくなると予想される職業なども騒がれて久しい昨今。あなたは10年後の世の中がどのようになっているか、時代の変化にあわせてどう動いておくべきか、考えてみたことはあるだろうか。そのヒントを、赤羽雄二氏の著書『3年後に結果を出すための最速成長』の内容を再編集しながらシリーズでお届けする。第5回のテーマは「IoT」です。

IoTの爆発的進展、ウェアラブルの普及

 今後10年、IoT(Internet of things =モノのインターネット化)が爆発的に増えます。 2020年には300億個、2025年には500億個以上のモノがインターネットに接続されるというのが、総務省の見解です。 モノとは、次のような例です。

・橋、トンネル、道路、ガードレールなどのインフラ
・工作機械、発電機、空調、倉庫、工場内照明、自販機などの設備
・建設機械、農業機械、フォークリフトなどの動く機械
・屋根、外壁、門、玄関などの建物
・冷蔵庫、洗濯機、掃除機、加湿器、エアコンなどの家電
・バ ッグ、アタッシュケース、財布、キーホルダー、クレジットカード、手帳、目覚まし時計、寝室のカーテン、ベッド、枕などの身の回りのもの ・テ ニスラケット、ゴルフクラブ、サッカーボール、スパイクシューズ、スキー、スノーボードなどのスポーツ用品
・バイク、自転車、乳母車などの身近な乗り物
・下 着、上着、眼鏡、サングラス、コンタクトレンズ、ブレスレット、ネックレス、靴、 介護補助具などの身につけるもの
・心臓ペースメーカーなどの体内に埋め込む医療機器

 その他にも数え切れないほどのモノが対象になります。どれもインターネットにつながることにより、置かれている状況を把握できるようになったり、遠隔操作ができるようになったり、新しい機能が追加されたりしていきます。

 IoTのうち、特に「身につけた」IoTのことをウェアラブルと呼びます。前述の例で言えば、最後の2つです。身につけることで体調管理、病気の予防、温度調節などにより快適な生活を実現してくれます。

 500億個のモノが、インターネットにつながるという数字が妥当かどうかですが、世界人口が80億人だとすると、一人あたり約6個なので、身の回りのものやウェアラブルを 考えると十分あり得るだろうと考えています。スマートフォンの普及を見ても、貧困なので持てないという時代ではありません。 技術的にはすでにほぼ可能なので、あとはコストを下げるだけです。

 モノがインターネットに接続される際、モノには場所、温度、湿度、振動、加速度、圧力、臭いなどを測るセンサーをつけ、場合によっては、カメラやマイクをつけてデータをインターネットで送ります。モーターやバイブレーター、それ以外のスイッチなどモノの操作もインターネット経由でできるようになります。

 次に、世の中がものすごく便利になる例をいくつか説明します。

 財布がIoT化されれば、スリがいなくなります。落としてもすぐに見つかります。現在では海外旅行の際、預けた荷物が届かない、誰かが間違って持っていくなどの問題が割と多く起きますが、こうした問題も防止できます。

 米国では、警察官がカメラを装着し、撮影しながらでなければ尋問できないという方向に動いています。警察官の過剰防衛、不適切行動を抑制するためです。また同じく米国でよく問題になる銃ですが、これもインターネットにつながり、使用記録が残るようになると考えられます。そうなると、犯罪が若干は抑止されるようになると思います。銃のネット接続を切ったり、一定の条件に照らし合わせて不適切な場合は、発射不能にしたりもできます。銃を手に持ったり、引き金に指をかけたりするたびに通報で きるようにもなります。

 また、世界には非常に暑い国、寒い国が多数あります。ユニクロのヒートテックをはるかに超え、快適な温度を保つ下着があれば、汗をだらだらかいたり、寒くて凍えたりすることもありません。 温度調整機能つきウェアラブルユニフォームができれば、高温・低温による問題が一掃されます。

 人が快適に住める場所が今の数倍から数十倍に広がるので、人口問題にも大きく貢献します。 そしてIoTとウェアラブルの発展に欠かせないのが、あらゆる種類のセンサーの開発です。温度は零下数十度から数百度まで、またサイズは、マイクロマシン用のナノサイズまで、また真空でも各種ガス環境下でも測定できるもので、数千億個が必要になります。これは、日本の強みが活きる分野です。

 IoTやウェアラブルに関しては、多種多様なニュースが飛び交っています。インター ネットにつながっていなかった何らかのモノがつながって、新しいことができるようになった、というニュースはいつも気にしていてください。

メリット

  1. IoT、ウェアラブルのシステム開発、センサー開発、製品開発、サービス開発などのニーズが相当に強まる。素材も重要な役割を果たすので、新しい素材を企画、研究、開発、生産する仕事がこれまで以上に増える。
  2. セキュリティ確保のための、暗号技術の開発ニーズが高まる。
  3. 日本で先行事例が生まれれば、世界中に輸出するチャンスが生まれる。
  4. 普段の生活にも大いに影響するので、新しいライフスタイルが生まれる。
  5. 米国などの銃社会でも、安全度が高まる。
  6. それ以外にも、あらゆる面でこれまで考えてもみなかったようなメリットが生まれ、続々と新製品、新サービスが生まれる。

デメリット

  1. 代表的なリスクは、プライバシー、企業機密との折り合いをどうつけるか。今どこにいるか、何をしているか、誰と何の話をしているかなど、適切な情報を活用し、そう
    でないものをうまく切り分ける仕組みが必要。そうしないと誘拐、強奪などの犯罪も誘発しかねない。
  2. セキュリティを万全にしないと、ネットワークに接続された機器はハッキングされ、異常動作を引き起こされる可能性が高くなる。これまでは、金庫を遠隔操作で開けた
    りはできなかったが、そうしたリスクも高まる。現に2016年に、IoT機器への攻撃が、2倍以上に増加したと警察庁が発表した。
  3. 多くのモノがインターネットにつながって動作をしている状況では、ネットワークのダウンによる影響が非常に大きくなる。

A4メモのタイトル例

  • IoTは、自分の生活をどう大きく変えるか?
  • IoTによって、仕事の生産性を大きく上げるには?
  • IoTを実現するステップは?
  • IoTには、どういうリスクがあるのか?
  • IoTを実現するには、どういうセキュリティが必要なのか?
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