■高木美帆エピソード1 ウサギとカメの高木姉妹

高木姉妹の妹である、高木美帆は姉と対照的。「天才肌」のタイプだ。写真:松尾/アフロスポーツ

 2つ上の姉・高木菜那も五輪の代表で、今大会は5000mと、団体パシュートに出場する。

 高木姉妹はそのキャラクターや成長曲線が対照的なことで知られる。天才型の妹と、努力型の姉。マイペースで「自分の滑りをすること」を常に掲げる妹と、感情を表に出して、妹へのライバル意識も隠さない姉。

 ふたりの五輪物語はウサギとカメにたとえられる。

 妹の美帆は15歳の中学3年で2010年バンクーバー五輪に出場。スーパー中学生として騒がれた。しかし、4年後は代表に落選。「一生懸命やることがダサいと思っていた」という慢心があった。

 一方、姉の菜那は「妹に勝ちたい。自分も五輪に出たい」と上昇志向を貫き、2014年のソチ五輪で代表に。先を行っていたウサギに追いつき、追い抜いた。
 すると今度は妹が「姉の本気の姿をかっこいいと思った」と、初めて全てをスケートに注ぐ覚悟を決める。

 そして2018年のピョンチャン五輪。姉妹はそろって五輪出場を果たす。チームワークが重要な団体パシュート、その中心が高木姉妹だ。

■高木美帆エピソード2 スーパー運動神経のワンダーガール

 高木美帆は小さい頃からスポーツ万能で、陸上、サッカー、ダンスなど、スピードスケート以外でも非凡な才能を見せていた。

 小学6年のときには陸上の女子800mで、北海道・十勝地区の小学生新記録を出して優勝。この記録は10年以上たった今も破られていないという。

 7歳から男子に混じって始めたサッカーでは、中学生で北海道選抜に選ばれ、15歳以下の女子日本代表合宿に参加した経歴がある。

 そのほか、ヒップホップダンスも得意で、当時のダンス映像がときどき紹介されるが、これは姉の高木菜那も得意。

 パシュートで姉妹そろって金メダルを獲得したあかつきには、ぜひふたりのヒップホップダンスを披露して欲しい。

■高木美帆エピソード3 バンクーバーお風呂事件

 15歳で出場した8年前のバンクーバー五輪。選手村の宿泊施設でお風呂に入ろうとした高木美帆は、お風呂のお湯を出しっぱなしにしたまま、寝てしまう。
 部屋は水浸しになり、あふれたお湯は階下にも……。

 その下の部屋にいたのが、フィギュアスケート男子代表の高橋大輔。

「美帆ちゃんが寝ちゃって、水が落ちてきて大変だった。あれは忘れられない」と高橋大輔は語る。

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