大人になるということは、見られる、ということ。
つまり、見られる、ということに備える武器を、僕たちはこれからのステージで身につけていかなければならない。大人であることの証明、きっとそれを先人たちは「作法」と、名付けたのであろう。置かれた場所において、ふさわしい振る舞い、相応しい時計を身につけられる大人になりたい。
そんな男のための、大人の時計作法入門。
さり気ない気遣いが女性の心に響くように、腕元の時計もまた、シンプルで主張しすぎないものが好まれる。レディファーストに似つかわしい優しげな印象のニットカーディガンが、その表情をより柔らかに変えてくれる。

彼女をエスコートするための時計。

 所詮、オトコの好みなど女性は理解してくれない。そう投げやりになる気持ちもわからなくはないが、女性の視線を意識した選びが出来るのも、大人の男の条件だと思う。特にレストランなどでは、ペアルックとはいはないが、女性のファッションとチグハグだと、かっこ悪く見えるものだ。
 では、彼女とのデートで着けるべき時計の条件とは何か。

 

 まず、大事なのはシンプルであること。モテたいがためについ男らしさを誇示しようと、大型ケースのクロコグラフといったゴツいタイプを選びがちだが、大人のデートには不相応だ。そこは、引き算マインドで、デートで訪れる洒落た場にも馴染む、控え目デザインが好ましい。もちろん、カジュアルなデジタルやカラフルなラバーベルトは論外。ニットカーデやチェスターコートといった、冬のシックなアウターに似合うことを前提としたい。自分だけの好みに走らず、彼女の好みや服装に沿った時計を選ぶセンスを備える。それも、エスコートのひとつだ。