日本の政治の裏の裏まで知る、元経産省官僚・古賀茂明氏と、菅官房長官に鋭く斬り込んだ話題の記者・望月衣塑子氏。空気を読まない二人の過激な対談をまとめた新刊『国難を呼ぶ男! 安倍晋三 THE 独裁者』で、安倍政権のミサイル防衛における無責任が指摘されている。

ーーアメリカは本当のところ、北朝鮮の脅威をどのように見ているのでしょうか。そのうえで、日本に何を求めているのでしょうか。

■脅かされているのは、日本ではなくアメリカだ

撮影/佐々木芳郎

望月 エドワード・ルトワックという、トランプ大統領の補佐人である、アメリカの戦略研究家がいます。この人が10月末、フジテレビの『新報道2001』のインタビューに答えて、アメリカが、いくつもの軍事オプションの準備が整っていることを示唆しているのは、つまり「いくつも軍事オプションがあるが、現状ではやりませんよ」という意思表示です。

「だけど、あなたたちも、分かっているように、一年か一年半後には、北朝鮮は確実に大陸間弾道ミサイル(ICBM)と核弾頭の開発を完了させる。そのときには、もうまさにそれを使って日本が脅かされかねないですよ」と、いう趣旨の発言をしています。 

 本当は、脅かされているのはアメリカです。でも、彼は、「私たち(アメリカ)は、(いまは)何もしません。ただ、一年後、一年半後に脅かされるのは日本ですよ。だから、日本が、いま何をするかを決めるときです」と詰め寄っているのです。 

 

 この人は、小池 百合子都知事とも会談しているし、安倍首相とも個別会談をしています。日本の政治の中枢にいる人たちがこのような人に焚きつけられているのかと思うと暗澹とします。

エドワード・ルトワック
1924年、ルーマニア生まれのユダヤ系アメリカ人。ロンドン大学、ジョンズ・ホプキンス大学に学ぶ。戦略家、歴史家、経済学者。米国防省の官僚や軍のアドバイザー、国家安全保障会議のメンバーなど軍事アドバイザーとしても有名。トランプ大統領当選後の政権移行チームにも参加。現在、戦略国際問題研究所(CSIS)上級アドバイザー。国力(パワー)を対外強硬路線として使う国は周辺国の敵対的な問題を発生することで、影響力(ソフト・パワー)を破壊してしまい、国家全体のパワーを損なう、という戦略のパラドックスを主張している。特に中国の台頭に批判的。近著『戦争にチャンスを与えよ』のなかで、安倍首相との会談に触れ、「稀代の戦略家」とほめちぎっている。
次のページ ■アメリカは日本にトリガーを引かせようとしている