日本の政治の裏の裏まで知る、元経産省官僚・古賀茂明氏と、菅官房長官に鋭く斬り込んだ話題の記者・望月衣塑子氏。空気を読まない二人が忖度なしで「アベノミクス」をぶった斬る! 二人の対談をまとめた新刊『国難を呼ぶ男! 安倍晋三 THE 独裁者』より紹介する。

■景気・雇用の改善は安倍政権のおかげではない

望月 安倍首相は、2017年9月25日の解散表明の記者会見で、「三本の矢を放つことで日本経済の停滞を打破し、マイナスからプラス成長へと大きく転換することができました。いま、日本経済は11年ぶりとなる6四半期連続のプラス成長」と語り、アベノミクスの成功を強調しました。衆院選の大勝を受けて株価は2万円台を維持。第二次安倍政権発足時には、約1万230円だった株価が約2倍になるなど、安倍政権になって経済が上向きになったと考える人たちもいます。20代以下と30代は、他の世代に比べて自民党支持率が高い傾向を示していることが、よくニュースにもなっています。若者世代の支持の理由のひとつが、「安倍政権で景気や雇用が改善した」というもの。「安倍さんが変えてくれた」と感じている若者も多いようです。

古賀 安倍さんが変えていると、騙されているわけです。マスコミも同じで、本当に安倍政権による成果だと思っている人が非常に多いように思います。

 確かに失業率も下がっているし、賃金も少しずつ上がり始めた。ただ、実質賃金で見れば安倍政権誕生前に比べてまだまだ大幅マイナスですよ。最近でも2017年は9月までは実質賃金が前年に比べてずっとプラスマイナスゼロか数カ月は逆にマイナスでした。

 10月にやっとプラスで、要するにまったく上がってない。日経などは「10カ月ぶりプラス!」と伝えてましたね。プラスのときは大きく伝えるんですよ。

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